移動中
シ〜〜〜〜ン
任務に向かう車で伊地知が聞いてきた。
高専の話でも、1年ズの話でもなく…
さっきからモジモジと…
ハッキリ言わない感じがイラつくな〜
どうやらあなたの事らしいけど。
ドンドンドンドンドン
(後部座席から運転席を足で突く)
↑
※ダメ、絶対ダメ
え"・・・マジ?
は?
・・・へー。ムカつくーψ(`へ´)ψ
僕の知らないあなたを知ってるって事?
テニスサークルで世話になった?
聞き捨てならねーなー
ヒョコッ(運転席と助手席の間から顔を出す)
五条さんには口が裂けても言えませんが
おっしゃる通り、想いを寄せておりました…
当時。中2の私にも親切にレクチャーしてくださり
とてもチャーミングな方で。だからこそ思うのです!
なぜ故、あのあなたさんが
この五条さんと…と思うのです!
ペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラ
懐かしむのはいいけど、なんであなたなんだよ。
腹立つわぁー
…にしても
あなたから伊地知の話聞いたことないけどなー
僕に気を使ってたのかな?
まさか、覚えていない・・・とか?
あるかも!ニッ
コイツ顔赤らめてまで、淡い気持ちで
懐かしんでるけどキモっ
あなたが覚えてなかったら……ウケる〜プッ
えーと。
プルルルルルプルルルルル…
ないーす、あなたちゃんっ。
ピッ
イジチキヨタカよ。
残念だったな…笑わせんなよ
五条さんの性格の悪さは知ってますが
ヒドイっ…ハー
これだけ散々な事言われるくらいなら
勇気を出して聞かなきゃ良かった…
もぅ、私のばかっ
あー良かった
あなたが覚えてなくって♡
その日の任務はストレス解消。
秒で終了した。
ーendー
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!