第4話

箱の中
99
2022/02/05 02:45
一緒に生活して3年目。
昨日の朝、仕事に出掛けたまま帰って来なかった彼。

教師+呪術師
毎日忙しくしている。
任務後、帰りが遅くなると高専の寮に泊まるし
連絡が無いのもザラにある。

彼は最強呪術師。私からすると職人さん。
彼の脳内は1日の半分以上が呪術界の事で占めている。
と言っても過言ではない。

初めは淋しさもあったが、理解はしているし
今となってはもぅ、慣れた。



プルルルプルルルプルルル…
あなた

もしもーし。お疲れ様〜

五条悟
お疲れ〜
あなた?いま大丈夫?
あなた

うん。
てか、昼に電話とか珍しくない?
どーしたの?

五条悟
あ、今昼なんだ。
そっかぁ、お昼になっちゃったのね。
ごめんね。
あなた

?お昼でしょ?
ごめんって?

五条悟
うん・・
今日は天気いい?
あなた

え?どこにいるの?

五条悟
ハハハいい質問だね。
さて、どこにいるでしょーかっ!
あなた

どこ?都内じゃないの?
てか、…暇なの?

五条悟
イヤだなぁ。これでも仕事中よ。
あなた

フフッ、そっか。
あ、さっき宅配便きたよ。
何か頼んでた?

五条悟
あ!そーだった。開けて食べちゃって。
美味そうな和菓子見つけたからさ。
あなた

んー。一緒に食べよ?
あ、今日は帰って来れそうなの?

五条悟
う〜ん。しばらく帰れないと思うんだよね。
あなた

え?もしかして海外?

五条悟
ハハハ海外だったら、先に話すよ。
僕、今箱の中なんだよね〜
あなた

はい?は、箱?…なにソレ。

五条悟
そー。箱ん中。封印されたみたいだね。
周り骸骨ばっかでさ。
あ”〜とか、う”〜しか言わねーし。
会話できないのよ。
あなた

えーと。
・・・ふ~ん。大変だね・・・

五条悟
マジで。
あなた

って、私この返事で合ってる?

五条悟
うん。
あ、もっと突っ込んでくれてもいーよー。
あなた

で、・・・電話できるんだ・・・

五条悟
そーなんだよ。ウケるよな〜ハハハ
どーせスマホ使えねーだろって思ってたらさ
しっかり電波最強だし。Wi-FiもOK。
先言えよって感じだろ?全く。
あなた

ちょっと待って?
今箱の中なんだよね?自力で出れないの?

五条悟
うーん。僕の情報読まれてるみたいで、
なーんもできないんだよね~。
外は色々大変だと思うけど…
僕を封印して、黙らせとけって魂胆でしょ。
あなた

じゃ生徒さん待ち?

五条悟
そんな感じ。
ま、その内誰かが壊しにくんでしょ。
五条悟
いつ出れるか分かんないしさー
嫌になっちゃうよ。フフッ
五条悟
恵や硝子にも電話したんだけど
だ〜れも出てくれなくてさぁ。
まぁ、皆忙しくしてるんだろーけどっ。
あなた

そぅ。なんだ。

その箱なに?ピンと来ないけど
急にしばらく悟に会えないという現実と
この先の不安が、襲いかかってきた。
五条悟
ま、着信残しとけば
元気にしてるって分かるでしょ。
五条悟
あなた、しばらく淋しくさせちゃうけど
ごめんね。
あなた

ううん。ウルッ…ちょっと淋しいけど
その場所は安全みたいだし。
…私は大丈夫だから、さ。ポロ
あ、充電減っちゃうよ。 グスッ

五条悟
フフッ泣いてんの?
あなたのそーゆー気付かいが嬉しいよ。
大丈夫だよ。僕、最強だし。
あなた

説得力ないーハハッ 
…急に悟に会いたくなっちゃった。

五条悟
そ?じゃ後で写メするねハハッ骸骨と一緒にさ。
集合写真みたいに撮れるかな。
すごいよ?周り奴等に囲まれてんだよね〜
あ、movieでもいいか。
つか、今リモートで良かったよな。
あなた

ハハハ、そーだね。

五条悟
あ、そうそう
あなた、誕生日おめでとう。
もぅ昼なんてなハハッ
遅くなっちゃって、ごめんね。
あなた

え…覚えてたの?

五条悟
ハハハハハ。当たり前でしょ。
それを兼ねてのラブコールだよ〜?
あなた

/////ラブコールなんて嬉しい。
悟が、珍しい事言ってる〜ハハハ

五条悟
ひとり淋しくしてると、言えちゃうね。アハ
あなた

ありがとう。

五条悟
直ぐには渡せないけど、何欲しい?
あなた

んー…悟///かな?フフッ

五条悟
やらしいなぁ。フフッりょーかい。
僕の帰還を楽しみに待っててね。
五条悟
ンじゃ、一旦切るね。
あなた

うん。電話ありがとう。
あ、悟?

五条悟
ん?
あなた

早く出てこーい!





ーendー

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