タクシーを降りた先には、大きい家が建っていた。
和風の家。門はとても大きく、家の一番上の瓦がやっと見えるほどの高さだった。
私は、翔太様の後ろをついていく。
でも、何分歩いても玄関は見えてこない。
私が歩くスピードが落ちてきたのか
と、抱っこしてくれた。
温かい。
この温もり大好き。
三次元共は、ガキの頃にこうやって抱っこされていたのか…。親の温もり。安心感。それを、私は、経験しなかった。
でも、いまは
抱っこしてくれる人がいる。
でっか…
蒼井翔太said
あなたちゃんは軽すぎる。僕の手料理を食べさせたときは、残さず食べるけどおかわりはしない。はぁ…。この子の体が心配だよ。
とそのとき
と、可愛い幼稚みたいな声で言ってきた。
ん?
何?
もう一回言って❤️
ぬぉぉぉぉぉぉ!!!!
可愛いぃぃぃぃ!!!!
(ピーンポーン
あなたsaid
と、出てきたのは美人な女性。
お姉さん?聞いたことがある。確か、10離れてるって。てことは、40!?
全然見えない。まだ、20前半の色気をバンバン出した女性みたい。
中に入れば大きさがよりいっそうわかる。でも、私ん家みたいに使用人はいない。
そして、翔太様は大きな扉の前で止まった。
どうしたんだろう?ため息なんてついて
私が翔太様を見ていたことに気づいた翔太様は、笑って私の頭を優しく撫でてくれた。
この撫で方好き……
ガチャっと音とともに、扉が開いた。
私は、極度な人見知りの性格のため翔太様の後ろに隠れる。
ブッフォヽ( ;゚;ж;゚;)ノブッ
おじ…おじちゃんって…
翔太様、周りの30代と比べたら美貌なのになぁ。可哀想
いいなぁ。家に帰ったら待っててくれる家族がいて。私は、「お帰り」って言ってくれるの使用人だけだし。
ひぃ!(ノД`)ノ見つかった。
私、ガキ嫌いなんだよなー。
美少年で頭がよくてスポーツもできて、敬語も使えて、肌が白くて、目が大きくて、手足が長くて細くて泣かない可愛いショタ以外無理なんだよなー。
めんどくせぇな!
これでいいよね?
ねっ?いいよね?
翔太様
バタン
と扉が閉まる音と共に私は、リビングを出た。
その頃私は服が大量にある部屋にいた。
と、クローゼットの中を二人で探り出した。
と、バタバタと部屋内を走り回るお姉さんとお母さん。
蒼井翔太said
あなたちゃんがお母さんたちに連れ去られて30分経つ。まったく帰ってこない。
そのとき
と、後ろから出てきたのは
着物を着たあなたちゃんだった。ラベンダー色の着物だ。
僕の家は、代々続く和風一家。和風専門の企業をしている。なので、家でもお母さんやお父さんは和服姿だ。
ヤバイ。写真。写真。
パシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャ(カメラの音)
と、お姉さんは、二人の子供を部屋に連れていった。
ふぅ。やっと、ガキがいなくなった。
…はっ!ここで、私も手伝えば好感度アップするんじゃ?
バタン
その頃
夜食だし。重いものは避けたい。しかも、まだ公演はあるし。
ん?ちょっと待って。明日、学校じゃん。
忘れてた。
休も
そして、春雨スープを作った。野菜などもいれたので栄養たっぷり。
蒼井翔太said
えっ。料理作れるとか聞いてない。
僕、このこの子と何も知らないんだなぁ。
ニコッと僕が笑うとあなたちゃんは、顔を赤くしてよそ見をした。
ほんともう。可愛いんだから。
と、あなたちゃんがニコッと笑った。
かぁ~わぁ~いぃ~!
あなたsaid
ごめんなさい。嘘つきました。でも、私と同じ経験をした翔太様なら学校に行きたくない気持ちわかりますよね?
夜
─────────────────
おまけ
─────────
どうも作者です。
第十三話【初めまして】どうでしょうか?
しょーたんのご家族が出てきましたね。
主人公は、料理が得意で検定も持ってるんです。(←翔太さまのために
お話は変わりますが、明日はついに5×T!
しょーたんのFCイベントです。
楽しみですね!
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。