2年後
あなた=23
翔太様=40
40になっても、相変わらず美少年。おっさん化してない。声も高いまま。
私は、翔太様のマネージャー
翔太様、いのりん、奈々様のスタイリスト、ヘアメイクアップアーティスト、作詞作曲をしている。
今日は、翔太様のマネージャーの仕事でアフレコ現場に来ている。
私がいるところと、翔太様がいるところは、少し離れてるけど聞こえる。はっきり聞こえる。
残念だけど…………
それは……………
≪回想・病院・≫
───────
ガキなんて、私がガキの頃から嫌い。うるさいし、私より元気いいし、親に愛されてるから。美少年ならいいけど。
どうしよう…私から言った方がいいのか?でもなー。
≪家≫
蒼井翔太said
僕は、あなたが意識を取り戻したあの日、あなたの担当医の先生に言われた。
子供は、まぁ出来れば欲しかった。でも、あなたのことを思うと、そんなことは言えなかった。
それに─────
よく、出掛けるときに
子供“ママー、見てー!可愛いお洋服!”
ママ“そうねー、可愛いね”
子供“パパー、買ってー”
パパ“よーし!パパ、奮発するゾー!”
家族のやり取りを見て、立ち止まってずーと見ているあなた。それは、出会った頃からそうで、今も変わりない。
愛情は注いできたはず。前の親よりも。
やっぱり、自分より愛情を注いでもらっている、子供を恨んでいるのかな?
あなたは、小さい頃から構ってもらえなかったという。おもちゃなんて家になかったらしいし。
子供……
僕も歳が歳だし……でも、姉さんに子供がいるし、その子供が孫を産むなら母さんも僕やあなたに産めなんて言わないよね。
─────────
可愛い。あなたは、いくつになっても可愛いんだろう。僕があなたに会った頃から、声も顔も変わってない。
あぁ。愛しい
僕は、いつの間にかあなたに抱きついていた。
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どうも!作者です。
第35話【未来】いかがでしたか?
では、また!
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。