蒼井翔太said
あなたは、何年経っても意識が戻らなかった。
あなたが倒れたあと、仕事は中止。LINEは行われたけど、同じ業界の人からは、あなたのことについての質問が多かった。僕は、いつも泣きそうだった。涙腺が弱すぎたのかもしれない。
仕事も、きつくなってきて、作り笑顔が多くなってしまった。いつも、あなたのために頑張ろうと思うけど、でも、やっぱり……………
仕事が終わると、すぐにあなたのところに行った。まるで、病院が家みたいなほど、病院に行って、家に帰ることはほとんどなかった。
眠っているあなたにいつも、今日あったことをお話ししたりして。
意識はすぐに戻るんじゃないかと思ってた。
でも
1年
また1年
また1年
と時が過ぎていった。
僕も気づけば、もう37歳。おっさん化してきた。
もう意識が戻らないんだろうと思う。
四年も眠っているあなた。
ほら、また────時が過ぎていく。
─────────────
そして、あなたの意識が戻らなくなって4年。
今日は、僕の37歳のお誕生日。幕張でbirthday partyがある。
──────
それは、birthday partyが終わって、楽屋で着替えているときだった。
📱“○○病院”📱
嫌な予感がした。もしかして──────
いや、そんなわけない。
僕は、恐る恐る電話に出た。
良い報告だった。
僕は、すぐに病院に行った。
───────
あなたの病室に入ると、あなたはもう意識が戻っていて、起きていた。
と、呼ぶとあなたは、笑顔で僕を見てくれた。
四年ぶりの笑顔だった。
可愛くて
美人で
目が大きくて
まつげが長くて
鼻筋が通っていて、高くて
唇もほんと、可愛くて
ピンク色に染まった頬も
おでこも狭くて
顔も小さくて
長いロングヘアの艶々の髪も
細く白く長い手足も
綺麗な手も爪も
下半身が上半身より圧倒的に長いスラッとした体型も
くびれが細いことも
声が可愛くてかっこよくて、美しくて華麗で麗しいのも
性格が良いのも
四年前に見たあなたそのものだった
四年ぶりの再会。
ずっと、この日を待っていた
会いたかった人
愛しかった人。
ついに
あなたが
眠りから戻ってきた日。
僕の最高のお誕生日プレゼント
──────────
どうも!作者です。
第33話【僕の四年間】いかがでしたか?今回は、翔太様のお話でした。
今回も更新日付ギリギリでごめんなさい。
また、明日お会いしましょう!!
【今日も翔太様のために】を読んでくださりあざまるすいさん!
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。