第9話

親権喪失
921
2019/04/03 01:32
夏休みも終わりに近づいてきた頃、翔太様は言った。
蒼井翔太
蒼井翔太
ねぇ、あなたちゃん。親権喪失をする気はない?
と。
主人公
親権喪失…ですか
親権喪失のことは知っていた。以前、あの家を出ていくためには、縁を切るにはどうしたらいいか調べていたときがあったから。でも、親権喪失したって、何にもならないとわかった。児童施設だって行きたくないし、他の人の養子になる気もない。だから、しようとも思わなかった。
蒼井翔太said
あなたちゃんの夏休みも終わりに近づいてきた頃、僕はあなたちゃんに言ってみた。
蒼井翔太
蒼井翔太
ねぇ、あなたちゃん。親権喪失をする気はない?
とね。
聞くのは、もう遅い。だって、弁護士も付けたし、家庭裁判所に申し込みもしたから。
でも、聞いておかないとね。
主人公
親権喪失…ですか
と、あなたちゃんは小さな声で言った。急に暗くなったので、聞くのはヤバかったかと思った。
と、そのとき
主人公
わぁ!親権喪失できるんですか!?翔太様があなたの保護者になってくれるんですか!?嬉しいです!親権喪失したいです!
と、急に笑顔になった。あなたちゃんの笑顔は、誕生日のときに見た笑顔以来だった。
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作者です。

今回は短くてすみません。

ではでは。m(_ _)m

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