今日もここ、ラムダでは子供たちの『絶望』の声が聴こえる。
その叫び声を聞いても、何も感じなくなった。
隣に縛られている実験体もどんどん新しくなってはいなくなった。
いなくなった人は皆死んだ、と聞いたのはそう昔の事ではない。
最愛の姉が死んでからは体を解剖されても、薬を飲まされても、ただただ虚しさが広がるだけだった。
心に穴が空いたように、なにも感じない。
お姉ちゃんに会いたくて、仇をとりたくて、鬼をこの世から消したくて。
毎日それだけを祈っていた。
___神様、助けてください。
そんな暗闇だらけの生活に光が差し込んだのは、それから間もなくのことだった。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。