ガンッ
ドカカンッッ
厳重に閉じられた鉄の扉の向こうから、数々の音が聞こえてきた。
それと同時に、たくさんの悲鳴が耳に入る。
ガチャンッ
突然、手足についていた鎖が音を立てて外れる。
体が軽くなったことを感じながら、私はただ無心で外れた鎖を見ていた。
『 異変は、何か悪いことが起こる前触れなんだよ。 』
何人目かもわからない隣にいた子の言葉をふと思い出した。
いつもと違うことは怖い。
カチャ
突然開いた扉から差し込む光のまぶしさに、思わず目を瞑った。
目が光に慣れるの待ってから扉の方を見ると、見慣れた白い服を着た人が立っていた。
__研究員だ、やっぱり殺されるんだ。
だが、その人の口から出たのは、予想外の言葉だった。
綺麗な青色の目を細めて笑うその人に、思わず心を奪われた。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。