「 うん 、 ごめん 。
取り敢えず 、 中に入って ? 」
『 お 、 お邪魔します 、! 』
家の中はシンプルにモノトーンの家具で揃えてある 。
部屋は … 、 ちょっと汚いけど 。
「 ごめん 、 今日来ると思わなくて …
あ 、 紅茶でいい ? 」
『 いえ ! お気遣いなさらないで下さい ! 』
「 ふふっ 、 いいの 。
いいからやらせて ? 」
慣れた手付き … と言いたいけど 、
カタカタしながらカップに注いでる 。
男性だもん 。
そうそう入れないよね 、 紅茶なんて 。
「 ん ! はい 、 どーぞ ! 」
『 あ 、 ありがとうございます ! 』
出来たての紅茶は感動する程ではないけれど 、
何処か暖かくて優しい味だった 。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。