悪魔アザゼル。
かつては天界で輝きし天使の一人。
【神の如き強者】という名の通り圧倒的な力を持ち、神より【下界の監視】という命を受けていた。
そんな彼が神を裏切り、堕天した理由は諸説ある。
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とある教会の奥。
そこには埃とカビの臭いが染み付いた書物庫がある。
滅多に人も寄り付かないそんな部屋だが、好んでそこに居座る変わり者も稀に居た。
最近の主たる変わり者は、まだ幼い少女と若い青年。
青年は困り顔で微笑む。
『イマイチ納得いかない』
そんな表情で古めかしい本を閉じる少女。
それを見た青年は、少女の頭を優しく撫でた。
少女はにっこり微笑むと、青年に背を向け外へと駆け出して行った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。