これを友達に言ったらどうなるんだろう。
絶対食いつかれるだろうな...
なんてったって男子校と女子校なのだ。
そりゃ最高の出会いの場であるのだから...
大人びて合コンだのなんだのこの歳に
なったら色々するだろう。
あの学校はイケてる男子のイメージが強い。
すると翔ちゃんの所に駆け寄って
何かお願いをしている。
するとその、ありおかくんっていう人は
私の腕を引っ張って
急に名前を呼ばれるし、そんな強引な
やり方があるだろうか。
彼のペースに飲まれたままだ。
翔ちゃんが気になって後ろを気にしてるんだけど
いやっ、全然大丈夫じゃないんだけど!!
そのまま突き進む彼にもう半分は諦めている。
すると、途中で立ち止まったその人。
そこには自販機があって、
入り口にある自販機とは売ってる
飲み物が全く違くて
そう言いながら硬貨を数枚入れた。
┈┈┈┈ピッ、ガタンっ。
ボタンを1回押したと思ったら...
┈┈┈┈ピッ、ガタンっ。ピッ、ガタンっ。
あとは同じボタンを3回も押した。
1つは自分の手に、もう2つを私の手に持たせる。
全然気になんてしないのに...わざわざジュースを
奢ってお詫びをするなんて...。
しかも弟の分まで買ってくれるなんて、
ずいぶん、律儀だな、と。
キンキンに冷えているその缶ジュースに目を落とせば、男子がいかにも飲みそうなラムネ味の炭酸飲料。
普通だったらそんな事、大人気ないから
絶対言わないけど、
なんかこの人なら気を使わなくても
大丈夫な気がした。
手をおでこに当ててものすごく分かりやすい
オーバーリアクションをとる。
彼の困った顔に思わず笑ってしまった。
すると彼はキョトン顔で頭を傾けた。
自覚がないって、かなり罪深いけど。
今どき、そこまで潔白な人間がいるなんて
信じ難い。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。