そんな彼の言葉に変なため息が出るばかり...
こちら側が機会を作らないと、きっと
有岡くんは永遠とこっちに合わせてくれる気がした。
これはちゃんと休んでもらわなきゃ、
大事な話も何も出来やしない。
·····なのに君ったら、
潰れた声でそんな必死に言われたら、
私の心臓もおかしくなりそうだ。
有岡くんはサラッと飛んでもない
爆弾を落としたのだ。
何、どさくさに声聞きたいなんて
言っちゃってんのッ?この人...
変に期待させないでほしい...
何もかも読めない今現在のこの状況で..
そんなシンプルな言葉で私は
簡単に迷ってしまう。
ほんと単純で嫌になる。
こんなんで私は大丈夫なのだろうか...
そんな気遣いをこっちがしても彼は
全く気づかないと思うけど...
今日はいいかなって。
だってこんなに弱っていても、
有岡くんは有岡くんなのだ。
変わらぬ雰囲気に安心してしまう。
最後の最後に伺ってみた。
今なら彼を休ませられるって...
でも無駄だった。
声でも心を許しちゃうこの感じ...
本当にずるい。
まっすぐな言葉に胸は変な音を
たててばっかりだ。
話したい事がまとまらなくてどれから
口を付けていいのか分からない。
まずは誤解を解かなくては。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。