市民プールの端っこにある自転車を止める
エリアにママチャリを置く。
いつも自転車置き場はガラリとしていて、
ここを利用するのはいつも私くらい。
なのに今日は、私の乗ってきた自転車とは
全く異なる自転車が1台止まっていて...
中学生も有り得るけど、そこにあるのは
カッコイイ白のマウンテンバイク...。
高さ的にも子どもが乗りこなせる
ものじゃないと悟る。
市民プールの中にはジムも入ってるからきっと
部活やってる人とか鍛えにきたのかな?って
自分の乗ってきた不細工なママチャリとそのイケメンなマウンテンバイクを隣合わせに並べるのはとても自虐的な気がして私はその自転車から遠ざけてママチャリを止めることにした。
こういう所が子どもっぽいって友達とか
お母さんに知られたら言われそうだ。
でも、気にしちゃうんだから仕方ない。
私はスマホの時計を気にしながら
市民プールの中に入った。
水着を着なくてもプールの所まで入っていい
ルールになっているここのスイミングスクール。
だからいつも私は、頑張ってる翔ちゃんの姿を見たいがためにいつもプールの中までおしかけていた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。