第16話

聞きたかったこと
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2018/08/15 09:46


聞いて大丈夫なのかかなり躊躇したけど



やっぱり気になるし今後に関わって来ると
思ってそれを聞いてみる。
あなた
有岡くんって彼女いるの?


これでいると言われたら...


私、簡単に砕けちゃうかも。
大貴
ふはっ、え?


すると吹き出して笑っている彼。



何もおかしな事は言ってないのだが...
あなた
いや...だって、モテそう、だから


何でこんな無駄に緊張しなくてはならないのか。



彼の答えに賭ける。
大貴
残念だけどいねぇんだよな〜 笑
あなた
そうなんだっ


ああ心臓に悪い。
危なく自爆するところだった。
大貴
俺、モテねぇし!つか周りに
女子いないからさ


自覚がないだけなのか、
それとも環境がそうさせているのか...
大貴
まぁ、子どもにはモテモテだから俺!


それでいい!、みたいなそのノリが人柄を見せる。



共学だったら絶対に彼女いたと思う。
あなた
・・・すごく意外
大貴
だって男子校だよ?
いる方が逆にすげぇよ


他人事みたいに笑った彼は
そういうのに疎いのかな。
大貴
どこで知り合うんだか
すげぇ不思議でさ〜


とか喋りながら私と翔ちゃんを
外まで見送ってくれる。
あなた
それは本当に思う。みんなどこで
出会うんだろうね


周りにいる友達と重ねてそうボヤいたのに
大貴
え、あなたちゃんいないの?


彼は結構驚いた顔で私の顔を見てきた。
あなた
いやだって、私も女子校だから!


学校を理由にするのはとてもいい言い訳だ。
大貴
あ...そっか!てっきり
居んのかと思ってた


自転車置き場に着くと彼は自分の
マウンテンバイクの鍵を解く。
大貴
あなたちゃんこそモテそうじゃん
あなた
いやいや、居るわけ!!
まず出会いがないし
大貴
ふうーん


そうなんだって感じで軽く私を見ている彼に
何を思われているのか変に意識してしまう。
大貴
共学だったら絶対彼氏いたんだろうなぁ
あなた
へっ?


私が思ったことを彼は全く同じように返してくる。
大貴
勿体ねぇよ!


勿体ないって何が勿体ないのか...




ほんと罪深いお方だ。

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