聞いて大丈夫なのかかなり躊躇したけど
やっぱり気になるし今後に関わって来ると
思ってそれを聞いてみる。
これでいると言われたら...
私、簡単に砕けちゃうかも。
すると吹き出して笑っている彼。
何もおかしな事は言ってないのだが...
何でこんな無駄に緊張しなくてはならないのか。
彼の答えに賭ける。
ああ心臓に悪い。
危なく自爆するところだった。
自覚がないだけなのか、
それとも環境がそうさせているのか...
それでいい!、みたいなそのノリが人柄を見せる。
共学だったら絶対に彼女いたと思う。
他人事みたいに笑った彼は
そういうのに疎いのかな。
とか喋りながら私と翔ちゃんを
外まで見送ってくれる。
周りにいる友達と重ねてそうボヤいたのに
彼は結構驚いた顔で私の顔を見てきた。
学校を理由にするのはとてもいい言い訳だ。
自転車置き場に着くと彼は自分の
マウンテンバイクの鍵を解く。
そうなんだって感じで軽く私を見ている彼に
何を思われているのか変に意識してしまう。
私が思ったことを彼は全く同じように返してくる。
勿体ないって何が勿体ないのか...
ほんと罪深いお方だ。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。