まずはそれを信じてもらわなくては...
合間に聞こえてくる咳払いが
しんどそうで本当に辛い。
有岡くんはどちらを信じたらいいのか
分からないといったところだろうか。
なんせ、付き合ってたにしても、
付き合ってないにしても、
有岡くんからしたら嘘をつく理由
なんて知る由もないのだから。
意外と察しがいいのだろうか、
それといつも一緒にいる人だからだろうか。
どっちにしろ、やっぱり有岡くんは温かい人だ。
ちゃんと向き合って断れば、
こんな事にならなかったのかな?
面倒くさがりな自分の性格が招いた悲劇。
やっぱり自分で何とかしなくては
いけないのだ。
そこまで分かっていてなんで
解決に導けない?
自分が情けない。
これ聞いて、どう思うんだろう。
有岡くんは私の事、最低って
思うのだろうか...
怖くて触れられない。
有岡くんに嫌われたくないのだ。
本当にどうしようもない。
怖いのに結局聞いている。
それに、病人に電話なんか掛けちゃって...
終いには相談なんか聞いてもらって。
休みたいだろうに...
必死に考えてくれる彼が
ずるくて胸が苦しい。
有岡くんの言葉に疑問が浮かぶ。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。