5年後、蛍と私は21歳になった。
喧嘩という喧嘩をすることもなく、相変わらず仲良くすごしている。
今日は蛍が所属するバレーチームの決勝戦。
何やかんや言いながら、蛍はバレーを続けていた。
私の20歳の誕生日に同棲しようと言われ、もちろん私はOKした。
とりあえず一通りやることが終わって一息ついていると、蛍の忘れ物に気がつく。
忘れ物を届ける旨を蛍にLINEし、私は家を飛び出した。
しばらく電車に揺られ、蛍が試合をする予定の体育館に着くと、玄関のところで待っていてくれた。
蛍に連れられて一緒に体育館に入り、私は一番選手を見やすい場所に移動する。
まだウォームアップ中とはいえ、すごい迫力だ。
蛍を見送って、私はカバンの中からノートを取り出して色々メモをした。
そして、私はそのノートを蛍に渡して家に帰った。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。