第62話

Episode 62
2,178
2020/10/27 15:12
5年後、蛍と私は21歳になった。
喧嘩という喧嘩をすることもなく、相変わらず仲良くすごしている。
私
蛍、これ忘れてる!
月島蛍
月島蛍
ありがとう
私
あと忘れ物ない?
月島蛍
月島蛍
ないと思うけど、あったら届けて
私
了解!
月島蛍
月島蛍
行ってきます
私
行ってらっしゃい!
今日は蛍が所属するバレーチームの決勝戦。
何やかんや言いながら、蛍はバレーを続けていた。
私の20歳の誕生日に同棲しようと言われ、もちろん私はOKした。
とりあえず一通りやることが終わって一息ついていると、蛍の忘れ物に気がつく。
私
あんなに確認したのに!
忘れ物を届ける旨を蛍にLINEし、私は家を飛び出した。
しばらく電車に揺られ、蛍が試合をする予定の体育館に着くと、玄関のところで待っていてくれた。
私
バレーシューズ忘れるとか、初めてじゃない?
月島蛍
月島蛍
カバン開けたらなかったから、焦った
私
玄関に置きっぱなしのシューズ見て焦った!
月島蛍
月島蛍
せっかく来たし、相手選手のこと見ていけば?
私
そうする!
月島蛍
月島蛍
シューズ、ありがとう…
私
全然いいよ!
蛍に連れられて一緒に体育館に入り、私は一番選手を見やすい場所に移動する。
まだウォームアップ中とはいえ、すごい迫力だ。
月島蛍
月島蛍
それじゃあ、僕は行くから好きなだけ見て行って
私
うん、ありがとね!
蛍を見送って、私はカバンの中からノートを取り出して色々メモをした。
そして、私はそのノートを蛍に渡して家に帰った。

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