第35話

Episode 35
3,160
2020/07/16 22:16
次の日、予定通りゆっくりするはずだった。
まずは数学のワークを解いているんだけど、それがめちゃくちゃ心臓に悪い。
私
蛍、ここってさX=3だよね?
月島蛍
月島蛍
え、全然違うよ?
私
嘘だよね…?
月島蛍
月島蛍
なんで嘘つくの
私
いや、そうなんだけどさ…
月島蛍
月島蛍
ここの代入間違ってる
私
ほんとだ…
月島蛍
月島蛍
はい、罰ゲーム
私
めちゃくちゃ恥ずかしい…
月島蛍
月島蛍
昨日はできたでしょ
蛍にそう言われて、私は蛍の唇に自分の唇を軽く重ねる。
ディープキスしてよ、って言われたけど自分からしたことなんて数える程しかないから、丁重にお断りした。
月島蛍
月島蛍
じゃあ、次の問題ね
これはさっき教えたから解けるよね?
私
これ苦手なやつ…
月島蛍
月島蛍
間違えたら、分かってるよね?
私
全力でやらせて頂きます
とは言ったものの、参考書と睨めっこしてばかりで問題は全く解けない。
確かにこの問題の解き方は教わったばかりだけど、複雑すぎて分からない。
こんな感じなのに、蛍と同じ進学クラスにいれるから不思議だ。
月島蛍
月島蛍
できたの?
私
んん〜…もう少し
月島蛍
月島蛍
解き終わったら言って
私
はーい
何とか答えまで辿り着き、蛍に声をかける。
私
解けたよ
月島蛍
月島蛍
じゃあ見せて
私
当たってますように…
月島蛍
月島蛍
んーとね、途中式は合ってるのになんで答え違うの?
私
え…嘘…
月島蛍
月島蛍
ここまでは合ってる
けど、ここで符号変わってる
私
もうやだ…
月島蛍
月島蛍
はい、キスして
今日何度目か分からないそれを言われて、そっと唇を重ねる。
月島蛍
月島蛍
僕はこんなんじゃ足りない
私
ンンッ…
急に後頭部を抑えられて、蛍の方からキスをしてくる。
ちゃんと、私の足に負担がかからないように配慮しながら。

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