第14話

Episode 14
4,064
2020/05/12 17:10
私
あれ…ない…
週明け、学校に着いて下駄箱を開けると、そこにあるはずの上靴はなかった。
月島蛍
月島蛍
どうしたの
私
あ、上靴家に忘れてきちゃって…
月島蛍
月島蛍
何やってんの
私
とりあえず、職員室でスリッパ借りてくる
月島蛍
月島蛍
僕も行く
咄嗟に家に忘れた、と嘘をついたが先週の金曜日に私は上靴を持ち帰っていない。
蛍は鋭いから、嘘がバレないか心配だ。
月島蛍
月島蛍
あのさ、僕のバレーシューズ貸す?
私
でも、蛍部活あるじゃん
月島蛍
月島蛍
部活前に返してもらえばなんとかなる
私
ほんとにいいの…?
月島蛍
月島蛍
うん、いいよ
急遽、蛍からバレーシューズを借りることになり、今日はスリッパで過ごす羽目にならなくて良さそうだ。
それにしても、私の上靴どこいっちゃったんだろ。
モブ
モブ
あ、蛍くんおはよう!
モブ
モブ
今日もかっこいいね!
月島蛍
月島蛍
……
モブ
モブ
ねぇねぇ、今度バレー部の見学行ってもいい!?
モブ
モブ
私も行きたい!
月島蛍
月島蛍
…行こ
私
うん…!
蛍に腕を引っ張られて、後を付いていくと、2人は、私のことをずっと睨んでいた。
モブ
モブ
チッ
去り際に舌打ちをされて振り返ると、2人はもう既に教室を出た後だった。
月島蛍
月島蛍
あぁいうのほんとめんどくさい
私
蛍かっこいいから、仕方ないよ
月島蛍
月島蛍
どうせ上辺だけしか見てないんでしょ、あいつら
私
珍しく怒ってるね
月島蛍
月島蛍
朝からうざい
せっかく気分上がってたのに、全部台無し
私
なんかいいことあったの?
月島蛍
月島蛍
自分より大きいサイズの俺のシューズ履いて、カポカポ変な音出してるの見てたらなんかテンション上がった
私
それは…悪口?
月島蛍
月島蛍
まさか
珍しく蛍が声を出して笑った。
上靴がなくなったことと、あの2人に睨まれたことはちょっと気になるけど、まぁいっか。

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