蛍 side
部活が終わったあと、山口と一緒に坂ノ下商店に向かう。
彼女が無事に家に帰れたか心配だし、家に帰ったら電話してみよう。
ツッキーさ、どうしてあんなにラブラブなの?
特に理由はないけど
2人のこと見てると、すごい微笑ましく思うんだよね
僕は自分でもこんなに続くと思ってなかった
俺は思ってたよ?
だって、どこからどう見てもお似合いだし
僕こんな性格だし、隣で笑っててくれるあいつに感謝してる
ほんと、ツッキー変わったね!
そんなことないから
坂ノ下商店でアイスを買い、近くの公園のベンチに座ってゆっくり食べる。
今日は何となく、彼女が大好きなイチゴ味のアイスにした。
今頃何してるかな、とかちょっと気を緩めると彼女のことばっかり考えてる。
ねぇ
どうしたの?
僕って変かな
どうしたの急に!
山口うるさい
ごめんツッキー!
僕さ、最近彼女のことばっか考えてる
うん、だと思ってた!
ちょ、なんで?
ツッキーって、自分が思ってる以上に顔に出てるよ!
そんなこと、ないんだけど
山口にそう返したものの、自覚があるからそれ以上強くは言えない。
これからは表情筋引き締めておかないと。
でも、彼女ちゃんツッキーと付き合ってて幸せそうだよ?
そうだといいんだけどね
見てたらわかるよ
いつもニコニコして、本当に幸せそうだから
なら、良かった
だから自信もって!
うん、ありがとう
そう言って最後の一口を口に入れ、僕と山口はそれぞれ家に帰った。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。