蛍 side
飲み物を用意して部屋に戻ると、僕のクッションを抱きしめているあなたが目に入った。
ベッドに座って膝の上をポンポンすると、にこっと笑って僕の膝の上に座る。
ほんと、ちゃんと食べてるのか心配になるくらい軽いんだよね。
僕の耳元でそう囁かれて、体がビクッと反応する。
そりゃあ驚くのも無理はない。
でも、たまにはあなたからして欲しいから僕だって引下がる訳にはいかない。
僕がそう言うと、あなたは顔を真っ赤にさせて俯いてしまった。
やりすぎたかな、と思って謝ろうとすると、そのまま押し倒された。
一生懸命舌を動かしてるのが可愛い。
でも、僕だって健全な男子高校生なわけで、あなたにこんなことされたら余裕がなくなる。
今度は、僕があなたのことを押し倒す。
あなたの口から漏れる声がエロい。
こんな可愛い声、絶対に誰にも聞かせたくない。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。