蛍 side
あなたが本気で嫌がってるわけじゃないってことくらい、見てればわかる。
だけど、ちょっと意地悪しようかなって思った。
そう言うと、顔を真っ赤にさせて俯いたあなた。
触って欲しいことくらい、お見通しだ。
恥ずかしそうにするあなたのショーツを脱がせ、指を這わせる。
そして、あなたの弱いところは敢えて触らない。
焦らすと快感に悶えているあなたが可愛い。
ちゃんとおねだり出来たご褒美に、指を入れるとあなたは腰をビクビクさせてイッてしまった。
よっぽど恥ずかしいのだろう、僕から顔を逸らして次の快感を待っている。
この時の僕は気が付かなかった。
廊下を通り掛かった兄さんに、声が聞こえていたことなんて。
明光 side
バレーの練習を終え、自分の部屋に戻ろうと2階に上がる。
蛍の部屋から聞こえてくる喘ぎ声に、若干戸惑う。
部屋に背を向け、何も聞かなかったことにしてリビングに戻った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!