第28話

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2020/03/03 02:50
そしてやっと…
やっと予定日だ。
ななもり
ななもり
あなた…大丈夫…?
あなた
大丈夫なわけないじゃん…
あなたは日々の痛みと戦って疲れているのか、少し言葉がキツい気がする。
ななもり
ななもり
そっか、ごめんね
俺はそんなあなたに何も出来ない。

それがすごく悔しかった
そして分娩室に入る前
「旦那さんは入って見守りますか?」
ななもり
ななもり
は…
あなた
ごめん…なーくんは待ってて
そう言ってあなたはニコッと笑った。
ななもり
ななもり
分かった。
頑張ってな!
本当はあなたに付き添っていてあげたかった。
けど、あなたがそう言うなら仕方ないよね。
そしてあなたは分娩室に入っていった。
すると同時にあなたのお母さんも到着した。
あなたの母
あなた、入ってった?
ななもり
ななもり
はい、今入っていきました
あなたの母
その様子だと、付添い、あなたに拒否られたかしら?
ななもり
ななもり
はい…拒否られましたね‪w
俺の様子だけでそれが分かるって…すごいな
あなたの母
多分あの子、なーくんに見せたくないんじゃないかしら。
もし泣いてしまったらとか、そんなこと考えてるんじゃないかしら
確かにそうかもしれない。
俺は男だからかもしれないけど、確かにあまり泣いてるところをあなたに見せたくないもんな
弱いところを見せたくない。
もしかしたらあなたも同じなのかもしれない。
中からは時々あなたの声が聞こえる。
ななもり
ななもり
大丈夫…ですかね…
あなたの母
大丈夫よ。
女ってのは意外に強いんだから
すると
おぎゃー、おぎゃー
元気な泣き声が聞こえてきた。
ななもり
ななもり
あっ!
あなたの母
あら!産まれた!、
分娩室のドアが開いて、中に案内された。
「元気な男の子ですよ〜」
ななもり
ななもり
はぁっ、あぁ…
抱っこした赤ちゃんはとても可愛くて

感動して

涙が出てきた。
あなた
なーくん…
ななもり
ななもり
あなた…!よく頑張ったな…!
あなた
うん!ありがとう…!
あなたの目にも涙が滲んでいた。
これからはこの子と、あなたと、3人家族になるんだ…
俺とあなたはこの子の親になったんだ…
あなたがこの子を抱っこしている所はもう、「お母さん」って顔をしていた。
俺もそんなふうに見えるのかな。
ちゃんとこの子のお父さんになれるのかな。
ななもり
ななもり
これからはもっと支えてやる
病室でそれをぼそっと呟いた。

疲れて寝ているあなたのすぐ横で。
ななもり
ななもり
じゃあ、帰るか
俺はそっと病室をあとにした。

家をしっかり片付けて、産まれた子を迎え入れる準備をしなくては

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