第32話

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2020/03/09 16:13
尚斗
尚斗
まぁま…
あなた
えっ、今…ママって…
ななもり
ななもり
うん!!うん!!
確かにママって言ったよ!!
尚斗はすくすくと成長して、

なんと今、初めてあなたのことをママって呼んだ!
でも俺の事は


まだ呼んでくれない笑
尚斗
尚斗
うっ…ぁぅ…うぁぁぁぁ…おぎゃぁぁぁ
あなた
あ、どうしたんだろ、よしよし、
ななもり
ななもり
んー、オムツではなさそうだしなぁ、
お腹すいたかな?
あなた
あ、もうこんな時間…ちょっと尚斗お願い!
ななもり
ななもり
ん?いいよ?
あなた
洗濯物にご飯に…
あなたは前以上に忙しそうだ。
俺も休日以外は仕事で忙しくて育児とかもあまり出来ないし…
さらに最近はちょっとイライラしてることがおおいかも
あなた
はぁ、あとはご飯…
ちょっとなーくん!尚斗のミルク!
ななもり
ななもり
え、あ!ごめん!今すぐやるよ
こんな風に怒られることもしばしば
あなた
はぁ…ごめんね、ちょっと…
ななもり
ななもり
いいよ、大丈夫。
女性は出産後はなかなかリラックス出来ないって聞いた事あるから

多分それだなと思っている。
ななもり
ななもり
はーい、ミルクね〜
尚斗
尚斗
あぷ…あぅ…
泣き止んでくれた。

あとは眠らすことができたらそれからは2人の時間だ
あなた
なーくんご飯出来たけど、
尚斗は寝てくれた?
ななもり
ななもり
うん、すやすや寝てるよ
あなた
はい、じゃあ食べよ
あなたの元気がない。
確か、リラックスできる時間って、授乳中と夫と話す時間だったよね。
なにかあなたのためにならないかなって調べたんだ 
あなた
ごちそうさま…
ななもり
ななもり
あなた?
あなた
なに?
あぁ、ちょっとイライラしてる時の「なに?」だ
ななもり
ななもり
皿洗いとかは俺がやっておくから、ソファーで座ってて
あなた
あぁ…ありがと…
そうしてすぐに皿洗いを済ませ、あなたの横に座る。
あなた
うっ…グスッ…
ななもり
ななもり
…あなた?
あなたは小さな声で泣いていた。
そんなあなたを抱きしめた。
強く。
ななもり
ななもり
大丈夫。大丈夫だよ
あなた
うっ…うぅ…うぁぁん
ななもり
ななもり
疲れてるんだよね…
いつもありがとう。
あなたはただ、ひたすらに俺の腕の中で泣いていた。

あなたの涙なんて、ほとんど見たことがない。
きっとずっと強がっている部分があったのだろう。
たくさんの涙を我慢してきたんじゃないか
ほんとに、母親っていうのは強いんだな。
そう思った。
ななもり
ななもり
いいよ、なんでも言ってごらん
あなた
グスッ…なーくん…
ななもり
ななもり
なに?
あなた
ごめん…ぅ…ごめんなさい…グスッ
そう言うとまた泣き出した。
ななもり
ななもり
ごめんな、俺も仕事仕事で育児も家事もなかなか出来なくて…
あなた
違うの…私がなにも出来ないから…グスッ
何も出来ない?
いや、違うよ
ななもり
ななもり
あなたは何も出来なくないよ?
料理だって美味いし、家なんていつも片付いてる。ワイシャツだってピシってなって返ってくるし
もう、言い出したらキリがないよ。
ななもり
ななもり
育児だって、当たり前のようにこなしてる
ほんとに、凄いよ。
ななもり
ななもり
だからね、いつもありがとう
あなた
もう…なーくん…グスッ
あなた
大好きだよおぉぉ…
その言葉、久々に聞いたな
ななもり
ななもり
俺は愛してるよ?
あなた
もう、…私だって愛してるもん
心のどこかで嫌われてるんじゃないかとか

そんなこと思っている自分がいたからとても安心した。
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わぁ...学校の家庭科で学んだ知識がこんなとこで使うことになるとは...

しっかり授業聞いててよかったよ( ゚д゚)

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