本人に聞けとか…無理だよ。
あぁ…グズグズして情けない。
俺は王子様な筈なのに…豆ちゃんの王子様になるって、
あの時、告白した時決めた筈なのに。
…
その時、豆ちゃんは顔を真っ赤にして
なんて可愛い事言ってくれた。
俺は本当に幸せだった。
の筈なのに…
…
今じゃこのざまだよ。
何も守れていない。
きっと豆ちゃんにも嫌な思いをさせてる。
今じゃもう遅いかn
声で分かる。
豆ちゃんは後ろから俺を抱きしめたまま
言葉を詰まらせる。
けど腕の力は全く緩ませない。
むしろどんどん強くなっていく。
いきなりどうしたんだろう。
いや、凄い可愛いんだけど我慢して…
「まだ」…?
消え入るような泣きそうな声で言う豆ちゃん。
どうやら俺だけじゃなかったみたい。
豆ちゃんも不安だったんだ。
我慢してたのが逆に不安にさせてたんだ。
本当に俺って彼氏失格。
俺は振り返って豆ちゃんを正面から抱き締める。
豆ちゃんを頬を撫でるとみるみる真っ赤になっていく。
本当に見ていて飽きない。
可愛い可愛い俺の恋人。
隠しきれてないけど手で必死に顔を隠す豆ちゃん。
我慢なんてしなければこんなに可愛い姿が見れるんだね。
いいこと知っちゃった。
本当に可愛いなぁ。
汐恩にもお礼しなきゃね。
けどその前に一成を可愛がることが先だね♡
end
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。