……
男__矢崎はマイにそう問いた。
目の前に転がっている「 もの 」が、
かつて愛していた女の首だと気付いたから。
男は叫んだ。
この世のものとは思えない声が男の喉から発せられる。
獣の様に。太く、低い音で。
自分のした事がどれだけ大きな
事だったのか、今更分かったのだろう。
__人を殺す依頼をしたという事が。
「 また 」だ。
マイはそう思う。
冗談半分で依頼をして、
己の自己満の為に利用して、
その結果己の身を滅ぼしたやつが、何人居ただろうか。
何度見た事だろうか。
これだから、、、
そう言ってマイは笑みを浮かべる。
言い掛けた言葉を呑み込んで。
当然、男にはその声も、笑みも届いていない。
「 では。またのご利用お待ちしております 」
そう言ってマイはドアノブに手を掛ける。
刹那___。
スマホが新たにメッセージの受信を告げた。
差出人は__イツキだった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。