第9話

⚖️:seven
308
2023/06/09 08:48










……









 ……お前…本当に殺したのか……? 






   男__矢崎はマイにそう問いた。

   目の前に転がっている「 もの 」が、

   かつて愛していた女の首だと気付いたから。










マイ
そうですよ。貴方が依頼したのでしょう?


 まさ、かっ…そんな!!! 








   男は叫んだ。

   この世のものとは思えない声が男の喉から発せられる。


   獣の様に。太く、低い音で。





   自分のした事がどれだけ大きな

   事だったのか、今更分かったのだろう。

   __人を殺す依頼をしたという事が。









   「 また 」だ。

   マイはそう思う。




   冗談半分で依頼をして、

   己の自己満の為に利用して、


   その結果己の身を滅ぼしたやつが、何人居ただろうか。








   何度見た事だろうか。



   これだから、、、







マイ
 ……本日は弊社のご利用、
 誠に有難う御座いました。 








   そう言ってマイは笑みを浮かべる。

   言い掛けた言葉を呑み込んで。






   当然、男にはその声も、笑みも届いていない。








   「 では。またのご利用お待ちしております 」

   そう言ってマイはドアノブに手を掛ける。











   刹那___。














   スマホが新たにメッセージの受信を告げた。

   差出人は__イツキだった。










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