帰り道を3人で歩いている
私と風花は、家が近く、最後の方まで道が同じだ
奇遇なのか、未来ちゃんの家は、私たちが最後の方に左に曲がる所を、真っ直ぐ行ってすぐの所らしく、近かった
私たちは楽しく話をして、それぞれ家へ帰った
事件が起こったのは、次の日だった
私と風花と未来ちゃんは、3人で登校してきた
クラスに入ると…
誰かの机と椅子が乱暴に倒されていた
声が重なった
倒されていたのは、私の席の横
そう、未来ちゃんの席だった
なんで、未来ちゃんがこんな目に遭わなきゃならないの?
疑問はそれだけではなかった
その近くで浜辺さんが泣いていて、浜辺さん以外の人は誰1人、教室にいなかった
私は未来ちゃんを横目で見た
未来ちゃんの目から、悲しみの小さな粒がこぼれるのが分かった
そこへ、倫也と隆君(隆之介)が来た
私たちは何も言わなかった
突っ立ったままだった
風花は、泣いている浜辺さんの背をさすってあげていた
何も言わない私たちを不思議に思ったのか、倫也と隆君は教室を覗いた
倒れている机と椅子が見えたらしい
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。