第13話

家に帰ってから
344
2020/07/16 12:35
風花と笑い合って帰ったあの後、私は家で、誰にも言えない、言いたいけれど言えないあの事について考えていた
あなた

うーん…

考えても悩んでも自分の気持ちに嘘はつけないのに、考えて悩んでしまう
あなた

うーん…

あなたー!
晩ごはん!
降りてきて!
母が呼ぶ
私の部屋は2階
何かある度に昇ったり降りたり
これが私には無駄な時間にしか思えない
この時間に何かできるんじゃないか、役立つことが

ずっとそう思い続けている
面倒くさそうに私は階段を降り、
またまた面倒くさそうに椅子を引いて座った
どうしたどうした
あなた

いつもの元気はどうした
あなた

別に元気だよ

全然元気じゃなさそうだけどね
あなた

元気だって

母は目の前に晩ごはんを置いてくれた
あなた

え…

ご飯、超絶大盛りなんですけど!
こんなの食べられないに決まってるでしょ!
さあ、これでも食べて元気出せー!
あなた

いやいや、さすがにこれは無理でしょ!

笑いながら答える
おお、元気戻ってきたねー!
私達は笑い合った
母はいつも、私の事を考えてくれる
ご飯を大盛りにしたのは、食べさせて元気にしたいからではなく、きっと、大盛りを見せることで元気にしたかったのだろう
こんな母が、私は大好きだ

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