それからというもの、私はいつもあなたの傍に居た。
あなたが傷付けられないように。
水上「あなた、おはよ。」
あなた「アリスちゃん、おはよ。」
最近のあなたは少し明るくなった気がする。
良かった。
水上「あなた、移動教室だよ。行こ。」
あなた「うん、行こ。」
私はこの子と居るだけで幸せだった。
部活もサッカー部のマネージャーを辞め、バレー部のマネージャーへと移った。
あなたは部員達から嫌われていた。
だから私が守るの。
清水「ちょっと、邪魔なんだけd … 」
水上「何?貴方がどけたら?」
清水「御免なさい …!」
大地「水上!言い方を考えろ!」
水上「アンタも考えたら?馬鹿みたい。」
あなた「アリスちゃん …!大丈夫だよ?そんなに怒らないで … 」
水上「うん、分かった。」
大地「はぁ … ドリンク作ってこい。」
あなた「分かりました。」
私達は体育館を出て、全員分のドリンクを作った。
谷地「いいですよ。私がします。」
少し怖い目で仁花ちゃんがこちらを見る。
水上「いいよ、別に。」
谷地「分かりました。」
あなた「仁花ちゃん、一緒にドリンク作らない?」
あなたは誰にでも優しかった。
自分が嫌われてても、部員にも後輩にも同級生にも優しい笑顔を向けた。
それでも
谷地「大丈夫です。それでは。」
あなた「 そぅ … 」
水上「あなた気にしなくていいのよ。」
あなた「うん …!」
あのサバサバとしたあなたがこんなにも大人しくなるなんて思いもしなかった。
でも同じあなたに変わりは無いし、
これからもずっと一緒に居たい
大 好 き な 親 友 だ か ら 。
部活が終わり、家に帰る。
あなたは一人暮らしだから最近はよくウチに泊まるようになった。
まぁ、私から誘ってるんだけどね、笑
水上「あなた、今日もうち泊まる?」
あなた「いいの?」
水上「いいよ、おいで。」
あなた「有難う。」
何故か、あなたの事が妹のように思えた。
もし、あなたが妹なら
どれだけ幸せだろうか。
水上「ただいま。」
水上母「おかえり、アリス。」
水上母「あら!あなたちゃんもいらっしゃい。」
あなた「はい。すみません、今日も泊まって大丈夫ですか?」
水上母「えぇ!大歓迎よ!上がって上がって♪」
あなた「有難う御座います!」
水上「あなた、お風呂入る?」
あなた「うん、一緒入ろ。」
水上「いいよ。」
私達はお風呂に入り、お互いの髪を洗って、湯船に浸かって今日の話をする。
あなた「アリスちゃん。」
水上「ん?」
あなた「アリスちゃんのこと、アリスって呼んでもいい?」
水上「ッ …… 当たり前じゃん!!逆に呼んで欲しい!」
あなた … やっと呼び捨てで呼んでくれるんだね。
嬉しいよ。
あなた「アリス。ずっと一緒にいようね。」
水上「当たり前じゃん。」
私達はお風呂から上がり、ご飯を食べて、寝た。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。