第25話

# にじゅうご
961
2022/05/12 13:39



「あなた、帰るぞ?」





放課後、教室の扉から大きな声で私を呼ぶ声。

おかげで一気に視線が集まる。



あーあ、こえから毎日こうゆう生活になるんだろうな。


颯太と兄弟だという話は一気に学校中に駆け巡ると同時に、やっぱり付き合っているという噂も広まった。





「ごめん、帰ろっか。」





女子たちに睨まれたり、悪口を言われ始めているけど、颯太のせいではない。


颯太の前では笑顔で明るくしてないと心配かけてしまう。





「クレープ食べるんだろ?」





颯太に彼女がいることを言えば、睨まれたり悪口言われたりもないだろうけど…


颯太が言ってないなら、私の口からは言えないなぁ。





「付き合わせちゃったし、颯太の分も買ってあげるよ。」


「いらねぇよ 笑 」





学校から最寄りの駅までは冷たい視線。


でも、電車に乗って地元の駅まで行けば、隣で笑っている颯太以外の視線は感じない。



颯太いつも、こうゆう視線に耐えているのかな。


だとしたら、怖いだろうな。




いつもより進まない食事。


入ってこない周りの声。



ああ、私は怖いんだ。



明日学校に行けば、敵だらけになっていることが怖い。


また色んな視線が刺さるのが怖い。


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