第98話

知ってる【我妻善逸】
5,929
2020/08/16 03:58


『ぜ、善逸…??どうしてこんなことするの…』
ガチャと重たい金属の音が部屋に響く。
善逸「あなたちゃんが悪いんだよ?
ずっとずっとずっとずっとずーーーっと!!!
俺が隣に居たのに!!!」
善逸は顔を半分手で覆って、目から涙を零した。
善逸「俺以外に、彼氏なんて作るから…!!!
俺というモノがいるのに!!!!」
『な、なんで?善逸には相談もしてて、いいんじゃないって言ってくれたじゃん!』
善逸「あんなの、言えるわけないだろ!!
好きなヤツが目の前で自分以外の事で目を輝かせてんのにさぁ!!!」
「なのに、どうして分かってくれないんだよ…」
消え入るような声で泣き崩れる。
私は罪悪感で押しつぶされそうだった。
『ぜ、善逸……』
善逸「……あなたちゃんが俺の事、恋愛対象として見て貰えてないって、気づいた時は泣きまくったよ」
善逸は体育座りをして身体を縮めて、鼻声で語り出す。
善逸「ずっと好きだったのになぁ…だからずっとずっと相談にも乗ったし相槌だってうった。」
『…っ(そんなに、私の事思っててくれてたんだ…)』
善逸「ハハ、笑えてきちゃうよな。
……ホットミルクでも飲めよ。ココ、冷えるだろ」
そう言って善逸は台所に行くと、直ぐに戻ってきた。
善逸「ほら」
『…ありがと』
私が飲むのを渋っていると、善逸が眉を下げて自嘲気味に笑った。
善逸「そんな怪しまなくたって…普通のホットミルクだよ」
『…いただきます』
こくん、と一口飲めばあたたかい甘さが口の中に広がった。
善逸「あ、覚えてる?あなたが中学の頃、好きな人が出来たって俺に相談してきた時。」
ぽかぽか身体があたたまって、不思議な気持ちになる。
善逸は話を続けた。
『(そんなこともあったっけ……)』
善逸「あの時、俺凄い悲しくなってさ。
俺はこんなにあなたの事好きなのに、お前は違うやつの事好きになっちゃうんだもんな」
善逸の聞き慣れた声がだんだんスローになって耳に入っていく。
善逸「でも俺、笑顔で言ってやったんだよ。」


─── 「それは良かった」 ってね。











・ (善逸 目線)










ドサッという音と共に、マグカップが割れる音がする。
善逸「あーあ。割れちゃったねえ」
白いマグカップに、キャラクターが手を繋いで笑いあってるイラスト。
これ彼氏とお揃いのマグカップなの、俺知ってるんだからな。
善逸「ふふ、寝てる顔も変わんない。
俺の泣いてる顔が弱い所も、全部信じちゃう所も全部全部全部俺は知ってる。」
つんつんと頬をつついてみても起きる気配は一向にない。

人を騙す時は、嘘の中に真実ホントを混ぜればいい。

…誰からこれを教えてもらったんだっけ。
善逸「…ああ、あなたから聞いたんだった」
本で読んだ、と満足気に話してきたたのは、いつのあなただったっけ。
まあ、そんな事はどうでも良くて。




善逸「知ってるやつにこんな事されて、あなたはどう思うんだろうな?


…これから、俺だけ見て生きていけよ♡」




___ これは一人の男が欲しいものを手に入れる話。






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やっと善逸編ですね!!!!!!
遅くなってしまいごめんなさい😿😿
なんか善逸ならいつも泣き叫んでるのを利用して、悲しげに静かに泣いて罪悪感誘って欲しいなあ…
という妄想からできました。
今日で夏休みが終わります😿
嫌だァッ!!!!!(切実)
ずっと夏休みならいいのに…ぴえん。
ツイステのオクタPUが!!!!始まる!!!!
うううっ………石ないんですけど………
星イベも来るのに…………♠️♣️…………
クゥッ…
ログイン40日しかしてないんですけど………
もっとログインしよ……………
頑張る………

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