第94話

鬼ごっこ③【柱】
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2020/06/06 15:01
どうしようかな…
一応、蜜璃ちゃんと伊黒さんから逃げてるわけだし…
『てか伊黒さんからハート出すぎてて草』
ピンク色のハートが伊黒さんからぽこぽこ出ている。
(気がする)
人数も多いしバレない、かな?
………いや、バレるに決まってる。
そんなこんなで考えていると、真正面から声をかけられた。

「あなた / あなたちゃん!」

『…!はい、何でしょ……』
パッと顔を上げると 桜餅を片手に持つ蜜璃ちゃんと、私と蜜璃ちゃんを交互に見つめて幸せそうにする伊黒さんがいた。
『あ』
甘露寺「やっと見つけたわ!あなたちゃんは単純だから、そこら辺に居れば見つかるだろうって 伊黒さんが!」
『伊黒さん私のこと馬鹿にしてるね?』
伊黒「こうやって此処に居るということは…

まだ誰にも捕まってないのだな、流石あなただ」
『やだ褒められてる~^^

だって捕まったら即死も同然だもんね!!
必死で逃げるよ!!??』
今もめちゃくちゃ逃げたいけどね!と付け足しておく。
伊黒「諦めろあなた。俺と甘露寺に捕まっておけば他の奴らみたいにヘンな事はしないさ。」
『変なことって何?!!!』
甘露寺「何もしないわよ!あなたちゃんとちょこっと一緒に寝るだけだから!」
伊黒「甘露寺の言う通りだ」
『え!!??寝るって?!三人で?!』
当たり前だが?と言わんばかりの顔で首を傾げられた。え。
そう思っていると、ジリジリ距離を詰められていることに気付いた。
『…!!!ちょっと、距離を詰めてくるんじゃない!』
伊黒「くそ、気付かれたか…だが、この距離で、俺らから逃げられるのか?」
蜜璃「私、頑張っちゃうんだから!」
蜜璃ちゃん可愛いけど、頑張るところ違うんだよな~~?
『フフフ…私だって伊達に柱やってないからね…』
伊黒「観念して俺らに捕まれあなた。

不死川に捕まりたいのか」
甘露寺「そうよあなたちゃん!不死川さん、何するかわかんないもの!」
『不死川さんにまだ会ってないんだよな~…

………だが断るッ!!!』
そう言って私は高く跳躍し、一気に距離を開いた。
『フハハハ、私に追いつける者などいな((「いるわァ」
『 』
ギギギギと錆びた鉄のように固い動きで声のした隣を見る。
不死川「そんなに見つめんなァ、押し倒しちまうだろうが」
『いいいいいつの間に居たんですか』
不死川「ア?伊黒と甘露寺に距離縮められてるトコからだな」
『序盤で全然笑えないんですけど』
不死川「屋根の上に居たから三人とも俺に気づいてなかったぜェ…


あなた、大人しく俺に抱かれr
『お断りします!!!!』
私は走るスピードを上げて、不死川さんを離していった。
だが、不死川さんは少し後ろを着いてきている。
『(ヒィィィィ!!不死川さんの顔がガチだよ~~~~!!!)』泣
目がガチ。ヤバい。超本気で走ってきてるじゃん。
1日独占されるなら、御館様か悲鳴嶼さんの所かなぁ…
私に触れば、捕まったってことだよね?
なら、私から御館様に触っていくスタイル!!!
よし、行くぞ!!!
不死川「あなた待てやァァァァァ!!!」
『あ、アッチにおはぎがァァァ!!』
不死川「おはぎ < あなただァァァァ」
『嬉しいけど嬉しくないぃぃぃ!!!』
私は叫びながら御館様の屋敷に向かった。

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