第75話

貴方と星空を【時透無一郎】
7,444
2020/05/22 15:17
🐔
🐔
あなたちゃん柱設定。恋仲。
無一郎→「」
夢主→『』
他→○○「」


「…ねえあなた」
『どうしたの?無一郎』
今日は非番の日だ!!
やっと貰えた休み、好きな事をするのもいいかもしれないなぁ
「僕も今日非番なんだよね。あなたも非番でしょ?今日、街へ逢引に行こうよ」
すると無一郎が私の膝から起き上がった
(膝枕してた)
『えっ!そうなの?!知らなかったんだけど?!』
「だって言ってないもん」
意地悪な笑みを浮かべた無一郎(小悪魔)
『そっか…よし、準備してくるね!』
「僕も準備する…刀だけ持てばいいよね」
『うん、隠してね』
そう言って私達はお互いの部屋に戻った
(同棲してる)
部屋に入って、姿見を見る
『何着てこうかなぁ~~…』


『お待たせ~!待った?』
「待った」
『ウッごめん!!』
「でも」
無一郎はさらりと私の髪を一束救って口付けた
「僕のために頑張って髪結ってきてくれたんだよね?」
『っ!』
反則すぎるーーーーーッッ!!!
『…は、はいぃぃ』
「ふふ、あなた顔真っ赤だよ?ほら、行こっか」
そしてナチュラルに手を繋ぐーーーーー!!!
私の彼氏が凄い………
「ねえ、いつまで顔赤くしてるの」
『だって…無一郎カッコよすぎるんだもん』
「…はァァァ」
『ええっ何でため息つくの!』
「なんでもないから…ほら、まずは街行くよ」
『え~~…まあいっかぁ』
街に着くと洋風の建物がずらりと並んでいた
『わっ、凄い!洋風だね~~』
「浅草は西洋の文化を積極的に取り入れてるからね…あ、カフェあるよ。入ろっか」
『かふぇ?何それ行きたい!』
「ほら、はぐれない様にちゃんと手繋いでて」
『うん!』
カフェとやらに入り、席に座る
周りを見ると洋服を着ている人や着物を着ている人も居た
『凄い…ここ日本じゃないみたい』
「何言ってるの、日本だよ」
『洋服かぁ…今度無一郎も一緒に着ようよ』
「えー…僕はあなたの着物姿が好きだから嫌だ」
『えッッ』
店員「(注文聞きたいけどイチャイチャしてるから行くにも行けない…)」
『んもおおおお無一郎サラッとそういう事言うのやめてェェ』
顔が熱い気がするが、店の中が暖かいからだろう。ウン。
店員「…ご注文がお決まりになりましたら近くの店員にご申し付け下さい。メニューはこちらです」
「はい」
店員さんは戻って行ってしまった



「これ、メニューだって。…あ、アイスクリームあるよ」
『わっ本当だ!色んな種類がある!ばにら…にちょこれーと?抹茶だって!』
「僕はコーヒーゼリーにしようかな」
(わかんなかったからコーヒーゼリーにしといた)
『んん~~じゃあ抹茶のアイスクリームにする!』
「じゃあ頼むね。すいませーん」
店員「はーい!ご注文をお伺いします」
「僕はコーヒーゼリーを一つお願いします」
『私は抹茶のアイスクリームを一つ!』
店員「かしこまりました。少々お待ち下さい」
『早く来ないかなぁ』
「今頼んだばっかりだよ?ふふ、せっかちさんだね」
『だってはやく食べたいんだもん!無一郎も少しソワソワしてるよ?』
「…僕はそんなんじゃない」
『ふふ、一緒だ』
「うん」
少し待つと店員さんがそれぞれ頼んだものを持ってきてくれた
『おわ、美味しい!!』
抹茶のアイスクリームを一口食べて、頬を押さえる
『ほっぺ落ちる!!』
「落ちないよ」
『辛辣!』
「僕のゼリーも美味しい…あんまり苦くない」
『一口食べてみたい!』
「いいよ、ほらあーん」
『あーん!』
差し出されたスプーンに乗ったゼリーを食べる
プルプルとした食感がとても美味しい
『ん!美味しいね!』
「でしょ?あなたのアイスクリームもちょうだい」
『いいよ!はい!』
抹茶のアイスクリームを乗せたスプーンを差し出せば、無一郎は小さな口でそれを食べた
「冷たい…わ、甘い抹茶の味がする」
『美味しい?』
「美味しい」
『良かったぁ』
食べ終え、カフェを出る
『良かったの?奢ってもらっちゃったけど』
「柱の財布は凄いのあなたも知ってるでしょ」
『まあ確かに…凄いよね』
「御館様が凄いんだよ」
「『尊敬』」
「ふふ…被った」
『被ったね』
「じゃあ…次はどこ行こっか」
『うーん…』
辺りを見回してみる
人混みに紛れて、“髪飾り”と書かれた看板が見えた
『あ、髪飾り屋さんがある!行こう無一郎!』
今度は私から無一郎の手を繋いで、人混みをかき分けてその店に入った
「髪飾り…?」
『気になってさ!無一郎は好きに見てていいよ』
「わかった」
私は店内をうろつく
『(…あ、綺麗な簪)』
私の銀色の髪に生えるような新橋色の簪
手に取って見てみると、銀色の装飾が施されていた
『(何これ…私達みたい)』
でもまだ他の奴も見たかったので、その簪を元の位置に置いた
「………」
髪紐の所に来てみると、布だったりちりめん紐だったり、飾りの着いた髪紐もあった


結局私は何も買わずに店を出てきてしまった
『でも、楽しかった!色んなもの見れたし!』
「あなた、ちょっと着いてきて」
『どこか行くの?』
「いいから」
無一郎は私の手を握って、ズイズイと進んでいく
いくらか歩いて、辿り着いたのは綺麗な星空が望める丘の頂上
『…綺麗…』
「どう?前、任務に来た時にあなたと一緒に見るって決めてたんだ」
『嬉しい…ありがとう、こんな綺麗な場所…』
「あなた、手出して」
『え?、』
「手、前に出して?」
『え、あ、うん、』
手を出すと、ポンと何かが手に置かれた
『えっ…これ』
「見てたじゃん、髪飾り屋で。しかもこれ僕達みたいだし」
無一郎は あなたに似合うと思って、と少しはにかみながら言った
『…!嬉しい…!!凄い嬉しい!ありがとう…!!』
簪を星空に翳すと、銀色の装飾がキラキラと反射して輝いた
『…今日は無一郎に尽くしてもらっちゃったなぁ』
「…いつも家事とか料理とかあなたがしてくれるじゃん」
『無一郎だって近くに居てやってくれてるよ』
「それは…あなたと一緒に居たいし」
『ふふ、私も』
「…」
『…』
お互い無言の時間が流れていく
無一郎とだったら、この無言も気持ちのいい時間だ
『今日はありがとうね無一郎』
「こちらこそ、いつもありがとう」
『帰ろっか…ここ、無一郎と来れてよかった』
「僕も同じこと言おうとしてた。…じゃあ簪、つけて帰ろう」
私は結んだ髪に、貰った簪をさした




『この簪、死んでも大切にするよ』
「壊したら許さないからね」


__綺麗な星空が二人を送り出しているように輝いた

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新橋色は、この色です↓↓

訂正  2020 4/20

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