第61話

魔法で治して①【かまぼこ隊】
7,710
2020/03/22 16:34
『痛い~~~…』
ちょっと任務でしくじってしまい、蝶屋敷にて右足の骨折を治療中。
しのぶ「あなたさん、少し任務を詰めすぎでは?休むことも任務の一貫ですよ」
『最近調子が良くてつい…ごめんなさい!!』
しのぶ「…まぁ鬼を滅殺するのは良い事なんですけどね。あなたさんに怪我をして欲しくないだけです。今度無茶をしたら新薬の実験台にしますからね??」
ブンブンと右手に作った拳をふるしのぶさんを見てハイ…と返事を返すしか無かった
しのぶ「わかればいいんですよわかれば。
でも今日は絶対安静ですからね」
『御意!!』
しのぶ「ふふ、元気だけは良いんですから…」
すみ「しのぶ様!炭治郎さん達が変な血鬼術に…」
きよ「善逸さんがまた暴れ出しちゃって…」
しのぶ「またですか?本当にもう…懲りない人ですね」
『炭治郎達?何それめちゃくちゃ見たい』
しのぶ「あなたさん??あ・ん・せ・いにしてて下さいね??」
『ウッス…』
私に有無を言わさない圧をかけて、しのぶさんは行ってしまった
『暇だぁ…でも変な血鬼術ってなんだろう…顔が無くなるとか??』
いやいやのっぺらぼうかよ!と一人で虚しくツッコミをして傍に置いてあった折り紙に手を伸ばす
『いやなんであるんだ…?まァいいか』
折り紙を手際よく折っていく
『あ、そうだ千羽鶴とか折ってたら暇が潰せるかもしれん!…いやまず千羽折る前に足治るじゃん』
なんなんだこの茶番は(お前だよ)を繰り返してとうとう二十の鶴を折った
すると コンコンと壁を叩く音がして扉の方を見る
炭治郎「あなた!あなたも怪我したって聞いたんだが、大丈夫か?」
善逸「あなたちゃぁぁぁあん!!!怪我したの??大丈夫??怪我治ったら結婚しようね!!」
伊之助「…オイ時子!コレ治しやがれ!!」
『いや時子誰…ってはァ??!!なッ…何それ…??』
伊之助がバッと私に両手を見せびらかす
『エッ…えッ…??いやこれどう見て動物の手だよね?!』
炭治郎「それが…今日倒した鬼が何故か動物好きで人間を動物の見た目に近付けて食べる変な鬼だったんだ…」
炭治郎と善逸も前に手を広げて出した
炭治郎が犬、善逸がアライグマ、そして伊之助が何故か指の所だけが獣っぽくなっていた
『なんか完全に伊之助だけ趣向違うよね』
伊之助「カッコイイだろ!!!!」
善逸「イィヤァァァァァアア!!ねっねぇ!!しのぶさんにはアライグマって言われたけどなんか凄い気持ち悪いよォ!!嫌ァ!!あなたちゃぁぁん!!」
ガバッと私に抱きつく善逸
炭治郎「なんか俺だけ本当に不便じゃないか…??」
『確かに…伊之助はもう変わらないと同じだもんね…善逸はそこそこ自由効くと思うし…炭治郎可愛そうなんだけど』
しのぶ「あら皆さんそこにいらしたんですね…ちょうど良いしあなたさんにも話しておきましょう!」
炭治郎「えっ話すんですか…??」
善逸「逆に俺はすっごい役得だけどね!!」
その時ゴスンと鈍い音を立てて善逸が倒れた
『ぜッッ…善逸ーーーーー!!』
伊之助「グワハハハハ!!見ろ!!強いぞ俺は!!さらに山の王に相応しくなったぜ!!」
しのぶ「伊之助くん?その手で殴ったりしたらいつもより倍の力が加えられるんですよ??下手したら善逸くん死にますからね??」
『えッいやぁ善逸ゥ!!』
炭治郎「善逸ーー!!死んだらちゃんと埋めてやるからな!!」
善逸「ちょっと物騒な事言うの辞めてくれない??!!死んだらどうすんのさ!!」
『起きたやんヨシ』
しのぶ「ン"ン"…話を戻しますね。その血鬼術を解くには “魔法” が必要になってきます」
魔法?と驚く私とは裏腹に炭治郎は下を向いている
炭治郎「…俺はあなたにこんなことさせるなら一生このままでも良いと思ってる!!」
『え??何??何するの私は??』
善逸「おっ俺もっ…あなたちゃんにこんなことして貰えるならこの手のままが良いよォ!!」
『コイツに至っては理由が不純な気がする』
しのぶ「その “魔法” というのは…“一番信頼している異性に接吻をされる” というものです。ですよね善逸くん? 」
しのぶさんはにっこり笑って善逸の方を向く
善逸「ハイ…ちっちゃい声だったけど耳の良い俺にはちゃんと聞こえました」
『…三人とも私を一番信頼してくれてるの??』
炭治郎「…信頼している!!」
『炭治郎は禰豆子ちゃんかと思った』
炭治郎「禰豆子も勿論信頼している!だが家族だから信頼しているの域を越えているらしいんだ。さっき試しても戻らなかった」
善逸「…俺にはさせてくれなかった癖に」
炭治郎「善逸はもう絶対駄目だ!!いやらしい事を考えてるのがわかる!!」
『アッハハハハハ!!やっば善逸ドンマイ!!』
善逸「あなたちゃんまでェ!?やめてよ!!悲しくなるじゃん!!」
伊之助「せっぷ…なんだ??」
しのぶ「口を付ける事ですよ」
伊之助「何処にだ??」
伊之助の直球な質問に、顎に手を添えて考えるしのぶさん。絵になる。美人。
しのぶ「それは…口とか肌、とかですかね??」
伊之助「………」
『そっか…んじゃあ、早めにパパッと終わらせようか!!』
善逸「えっ??」
『えっ??』
炭治郎「…良いのか…?あなたは」
『勿論!炭治郎達だもん、私も力になりたい!』
しのぶ「あらあら…では治ったら教えてくださいね」
しのぶさんはにこりと華麗に笑って部屋を出て行った

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