第95話

鬼ごっこ④【柱】
6,613
2020/06/07 10:32
『ハァッハァッ』
単刀直入に言う。
全力の不死川さんから逃げ続けて、30分を越えようとしている。
疲れた!!!!
ここの角を曲がれば ───…!!!
やっと、終わる…!!!
御館様の屋敷が見えてきた。
ニコニコと微笑む御館様と、御館様の傍にいる悲鳴嶼さん。
あの二人の間に、飛び込めば……!!!

この作戦が成功することしか、私は考えていなかった。
だから、捕まるなんて思ってもみなかった。


あと数十メートル、あと数十歩、のところで私の両腕はに掴まれた。


『はっ??』


「…やっとかよォ」
「これで1日中あなたを独占できるぜ~」


振り返ると、ガッチリ私の腕を掴む
私と同じくらい息切れしている不死川さんと、
ニヤリと口角を上げる宇髄さんが居た。

『~~~~~!!?』
不死川「おい宇髄、俺が最初に掴んだんだよォ」
宇髄「そんなつれねぇこと言うなって!

ほら、派手に三人でなかよくしようぜ?」
『えっ、あ、は???』
ぶら~んと二人に持ち上げられて、御館様の目の前まで来てしまった。

『お、御館様………』
お館様「うん…誰があなたを捕まえたのかな?」
悲鳴嶼「不死川と…宇髄が…同時にあなたを捕まえました…」
御館様「そうかい…なら、実弥と天元二人で1日だね」
不死川「チッ……まあ捕まえれて良かったァ」
宇髄「派手に良いな!!」
『良くない………』
御館様「じゃあ散らばってる皆には私から鴉を飛ばしておくよ。


実弥と天元とあなたは、好きなことをしておいで」
お、御館様ぁ~~~~~~~~~ッ!!!

宇髄「いやあ、ギリギリ掴めて良かったなあ」
不死川「追いかけ続けて良かったぜェ」
『…あの』
宇髄「なんだ?」
『私を捕まえて、何、するんですか?』
私がそう聞いた後、不死川さんと宇髄さんは二人で目を合わせてニヤリと笑った。
不死川「………さァな?」
宇髄「心配すんなって!


俺らがド派手に優しくリードしてやっからよォ!

あなたも気持ちいいと思うぞ~~?」
『………え?』
不死川「オラ、家帰って風呂入ってこいよ」
『エッ、ちょっと…!』
宇髄「なら、俺らと風呂入るか?」
『嫌ですッ!!』
家に帰ろうとした時、宇髄さんが「めかしこんで来いよ」とさりげなく耳元で囁いた。
『…?』
まあとりあえず汗もかいたし、家に帰ろう。




『…で、言われた通りめかしこんで来たんですけど』
今、不死川邸の前に宇髄さん、不死川さん、私が立っている。
宇髄・不死川「………」
いつも箪笥の奥に閉まってあった着物を引っ張り出して、いつもしない髪型。
もう何コレ。
『…宇髄さんがめかしこんで来いよって言ったんですよ!!なんか、これだと私が気合入ってるみたいじゃないですか!!』
宇髄「あぁ…スマン、派手に可愛すぎて言葉が出なかった」
不死川「………似合ってるぜェ」
『えっ………ありがとう、ございます…』照
不意打ちに褒められてしまい、私は普通に照れる。(?)
『あ、それで何処か行くんですか?』
そう聞くと髪をおろして着流し姿の宇髄さんが、ニヤリと笑った。
宇髄「浅草に逢引しに行くぞ!」
不死川「それなら洋装の方が良かったんじゃねえのかァ?」
宇髄「そう思ったんだが…着物を着たあなたのうなじを想像しちまってよ…


これは派手に着物着させるしかねえだろ!!!」
グッと拳を握って力説する宇髄さん。
『ウッッッワァ…………』
不死川「そうかよォ……ナイスだ宇髄。」
『コッチも………』
宇髄「オラオラ!引いてねぇで早く浅草行くぞ!
ほら、お前はこっち。」
腕を引かれて、宇髄さんと不死川さんの間にすっぽりと収まった。
『うぉ…』
宇髄さんと不死川さん、顔は良いもんなぁ…
私が侍らせてるみたいだ…
そんなこんなでとりあえず、私達は浅草に向かった。





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ちょっとまた続いてしまいました。
本当は 柱がギリギリの所まであなたちゃんを追い詰めてて、
捕まる寸前のところで悲鳴嶼さんと御館様の間に滑り込む、というオチを考えていたんですが…
宇髄さんと不死川さんと逢引の話に強引に持ってきてしまいました。
不死川さんと宇髄さん両手に侍らせたいですね。
ハァ。
横見たらイケメンが…!!
今部活が再始動して、筋肉痛が辛いです。
湿布貼らなきゃやって行けません。^^
皆さんも頑張りましょうね^^


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