第47話

お泊まり③【21歳組】(甘)
10,909
2020/02/15 11:51
鮭を咀嚼して飲み込む
不「貯めてないで早く言えやァ」
義勇は持っていた鮭大根の皿と箸を置いた
冨「………あなたと湯浴みする」
不・伊黒「『はァ????』」
予想もしてなかった返答に思わず三人でハモる
実弥と小芭内は静かに青筋を浮かばせた
不「巫山戯てんじゃねェぞォ」
伊黒「何を抜かしているのだ冨岡?貴様は頭が足りてないのか??先程あなたが 変な事じゃなければ と言っていたのが聞こえ無かったのか??阿呆なのか??」
『あは、あはははは…義勇大丈夫??』
 冨「不死川、俺は巫山戯ていない。伊黒、頭は足りているぞ俺は。そしてあなた、湯浴みに行こう」
『今日はよく喋るね~!風呂はチョット無理かな!!』
すると隣に座っていた義勇は私の隣に来て
冨「…駄目なら押し倒す」
ビクッと身体が硬直した
不「ブッコロス」
伊黒「行け鏑丸、冨岡の首を締めるんだ」
実弥が立ち上がった瞬間、義勇が私の腰に手を回して来た
『ウォッ、ちょっと!手!』
不「…コロスゥ」
伊黒「冨岡、その手を離せ!離れろ!」
冨「…あなたと湯浴みに行くまで離さない」
『子供か!! …………~~~ッ』
悩みに悩んで、取り敢えず義勇を引き剥がす
『……ンン"、湯船だけ!!絶対湯船だけ!!』
不「良いのかァ?!!」
『やむを得ん…でも!手出してきた瞬間殴るからね!!』
伊黒「はァァァァァァ…あなた、何かあったら直ぐに呼ぶんだ。いいな??」
『その前に私の拳が出るよ』
不「テメェ冨岡ァ…手出したら首と胴体繋がってると思うなよォ…」
冨「…不死川に言われたくない」
不「ア"ァ??!!」
『おうふ…何これ…助けて小芭内…』
伊黒「おい、何だそれは、どういう事だ?」
不「なんでもねェ!!」
冨「ご馳走でした。あなた行くぞ」
いつの間にか食べ終わった義勇に手を引っ張られる
『エッ?!まだ食べてるんですけど?!!!』
冨「…そうか。先に入っているぞ」
『ええぇ…』
満足気な顔で義勇はお風呂に行ってしまった
実弥と小芭内の方を見れば何やら言い合い(?)をしていた
伊黒「まさか…不死川、お前あなたに手を出したのか…??」
『ブッッッッッッ』
ちょうど啜っていたお味噌汁を吹き出す
二人の鋭い視線が此方に向く
伊黒「は??…おい、(なおい、本当なのか??おい、その反応はなんだ?!!」
小芭内が近付いて顔を覗き込んでくる
不「……」
伊黒「嘘だろう……わかった」
肩を落とした小芭内が、ご馳走をしてこの部屋を去っていった
『あぁ…………』
実弥??二人きり
不「……悪かったなとは少し思ってるぜェ」
『いやそれ思ってないじゃん?!…何だか此処に居たら身の危険を感じるよ』
不「……あなたは誰にも渡さねェ」(ボソッ
『ん??何か言った??』
すると実弥はぷいっ とそっぽを向いてしまった
『そう?…あ~、お風呂…憂鬱…』
不「フッ…まあ頑張れやァ」
『他人事だね!? …何か嫌な予感がするんだけど気のせい?』
不「いやァあながち間違ってないぜェ?あなた、絶対後ろ向くなよォ」
『エッ何それ?!さね…み"ッ????!!!!』
立ち上がった瞬間、後ろに引っ張られる
不「冨岡ァ…拭いてから出てこいよォ…後で拭けよな」
『エッ??!!!義勇??!!!上裸じゃん?!』
顔を上げれば水を滴らせた義勇が居た
冨「…遅い」
不服そうに眉間に皺を寄せる
『え、ごめんね?!でもさ、そのまま出てくるのはどうなの??』
冨「…あなたが(早く来ないから)」
『私が何?! 義勇! 主語が無いよ!!』



不「あなたそれは述語だァ」


着替えてタオルを身体に巻く
『…ッ入るよ?!』
冨「ああ」
扉を開ければ、義勇はもう既に湯船に浸かっていた
『…あ』
そうだ、呼吸使えば見られないじゃん!!
『義勇、湯船から出た方がいいよ!逆上せるから』
冨「…?」
義勇は素直に湯船から上がる
『はい、後ろ向いて!』
義勇が後ろを向いた瞬間、私はシィィィィと息を吸った
冨「おい、あなた!」
『これくらい許せ!(時の呼吸 陸の型 時の休止)』
ピタッと義勇の動きが止まる
まあ思考は止められないから多分悶々と考えてたりするのかな
『やっほい、義勇くん。私身体洗うからそのままで居てね』
義勇の前に行くと義勇は悔しそうな顔をしていた
冨「(あなため…!!)」
バシャッと水を被って気づく
『アッ!!くそ、石鹸忘れた!!実弥、借りる!!』
秒で洗って秒で流した
『ふぅ、出来た!』
実弥には申し訳ないが、身体にタオルを巻いて湯船に浸かる
『もういいよ、義勇』
心の中で 解除 と言うと義勇が動く
首をゴキッと鳴らして無言で湯船に浸かった
『義勇怒った?』
冨「…何で止めるんだ」
『だって裸見られたくない』
冨「言えばいいだろう」
『義勇絶対見るでしょ』
すると義勇は黙り込んでしまった
『いやそこは見ないって言うんだよ』
冨「…見ない」
『遅いね!』(クスッ
義勇が見た目の割に阿呆っぽくて良かった
思わず笑みが零れる
その瞬間視界が回った
『…ンっ??』
唇にあの感触、目の前に義勇の青色の瞳
ボンッとまた顔に熱が集まった
冨「…顔が赤いのも、全部可愛いな」
そう言うと直ぐに触れるお互いの唇
『ン、んんッ!』
とんとん と義勇の肩を叩く
ちゅっ と恥ずかしい音を立てて義勇は唇を離した
冨「…俺は手は出していない」
『…ッそれ、屁理屈だからね』
冨「…構わん」(チュッ
もう一度、くっ付けてくる
『…ッ、ふ』
その瞬間、胸に手が触れてもにゅ、と一揉み
『~~~~~~~ッッ!!!!』(ボゴ
義勇の頭を思い切り殴る
シュウウウウウとけむりに見えたのは、湯気だろうか
『手!手出した!義勇、私上がるッ!!』
冨「…痛い(柔らかかった…)」
『当たり前でしょ?!!!』
一瞬で着替えてタオルを肩に掛けてお風呂場を出た
『…ッ信じらんない、!』
伊黒「…まさか手を出されたのか?」
前から歩いて来たのは小芭内だった
『小芭内~~~!』
すると小芭内は私の手を引いて自分の泊まる部屋に私を連れ込んだ

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