第2話

2. 彼女と太陽
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2021/09/07 19:04





  あの日のことは、今でも鮮明に覚えている。


  それは、天気予報が大外れして


  さっきまでの太陽が嘘かのように大雨が


  降っていた時のことだった。




  『 さいっあく … 』




  もちろん、降水確率0%だなんてことを


  朝のニュース番組で天気予報士が


  ニコニコしながら言ってたもんだから


  傘なんて持ってきているわけが無い。


  そんな時だった。


  君と出会ったのは。




  「 あっ、あの … 」


  『 … 私? 』


  「 (大きく頷く) 」


  「 か、傘 … 」


  『 っあー … 苦笑
    忘れちゃって … 』


  「 よかったら … 僕のどうぞ 」


  『 そんなんしたら、君が濡れるじゃん 』


  「 美澄さんに風邪ひかれたら…困る 」


  『 なんで、名前 … 』


  「 べ、別に … 」


  『 本当に、傘は大丈夫ですから。
    そのうち、止むと思いますし、 』




  私がそう言うと、今まで1度も


  合わせようともしてくれなかった目を


  私に向けて、君はこう言ったんだ。




  「 っじゃあ、!相合傘しませんか … ? 」




  あまりにも真剣に 相合傘をしよう と


  誘ってくるからなんだか可笑しくて


  自然と笑みが零れた。




  『 … いいですよ、微笑 』














  これが、私にとっての太陽


  つまり、最愛の人 “ 高橋 恭平 ”


  を好きになるきっかけだった。




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