第19話
Natsuki.H
夏喜side
ガラガラ
夏喜「おはよ〜」
病院に通うのが俺の日課。
病気でも怪我でも何でもないけど、
あなた「おはよう、なっちゃん」
あなたのために毎日通ってる。
あなた「毎日ごめんね。ありがとう」
小さい頃から肺が弱くて、今も入院している。
夏喜「いーの、いーの!あなたのためなら何でもするからちゃんと言ってね?」
あなた「頼もしいね笑」
夏喜「体調は?大丈夫?」
あなた「うん、」
夏喜「どした?元気なくなったけど」
夏喜「おわっ」
あなた「もうやだ、毎日毎日おんなじ景色で。暇だし、かといってなっちゃんにたくさん会える訳でも無いのに…もう、もう死んじゃいたい」
夏喜「そっか、気付いてあげられなくてごめんね。でもさ、あなたの病気って不治じゃないでしょ?頑張ったら治るでしょ?なら頑張ろうよ。いくらでもリハビリ手伝ってあげる。だから、、お願い。死にたいなんて言わないで。」
あなた「っ、ごめん。」
夏喜「あなた、手出して?」
あなた「うん、」
カバンから出したのはペアリング。
右手の薬指にそっとはめる。
あなた「これ、どしたの?」
夏喜「俺と、お揃い」
すでに付けてある、俺のリングを自慢げに見せびらかす。
あなた「ふふっ、ありがとう。大好きだよ、夏喜」
夏喜「っちょ、反則だって」
滅多に呼び捨てで呼ばないのに、、、
あなた「いってらっしゃい」
夏喜「いってきます」
病室を出る俺の指輪は綺麗な光を放っていた。