第10話

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2020/12/10 14:19
※莉犬くん(ご本人様)の過去を少し使用し,此方から加えて います。地雷の方は見ない事をお勧め致します。

















生徒A
うわッ ウイルスが来たよ、逃げよ逃げよ!笑
あはははは、と乾いた笑い声が廊下に響く。
朝から嫌なものを見たな、と思いながら下駄箱を開ければそこには上履きではなく大量の虫の死骸。
生徒B
何あれきったな…
生徒C
逃げよ逃げよ,ほら行こ
後ろから突き刺さる冷たい目線。
莉犬
……
俺は虐められていた。
何がきっかけだったのかは覚えていないが、ある日突然俺の定規が無くなっていたことがあった。

まぁどこかで落としたのかな、なんて思っていた次の日、友達とお揃いだったシャープペンが無くなった。

流石におかしいなと思い、先生に伝えたところ、見つかったのはトイレのゴミ箱だったそうな。

先生は俺の目を見てゆっくりと頭を撫でてくれた。

ただ、それだけだった。
仕方なく靴下で教室へ向かうと,机に大量の落書き。
今の時世にこんなことするヤツらが居るのか、と若干呆れそうになるも、何故か涙が溢れだしそうになるのを口の中を噛んで耐える。

血の味がする。
生徒A
あれヤバくない……?流石に怒られるって…笑
生徒C
大丈夫だって笑
生徒B
靴履いてなくね?どうしたんかなw
先生が来る前に消しちゃわないと問題になる。
急いで雑巾を濡らして机の上を拭く。
すぐに取れるように水性ペンで書いているのか簡単に落ちたものの、椅子の足が曲がっており、座ろうにも座れない。

仕方なくバランスをとりながら 椅子を立てる。
その様子を見て,1つのグループが ヒソヒソと笑い声を漏らす。
︎︎
アレやばくね?座ったんだけどww
︎︎
近づかないようにしよ,怖ぇ怖ぇw
あのグループこそが、俺を虐めているグループだ。
毎回毎回俺の顔を見ては 暴言を吐いてくる。
「醜い」だとか、「気持ち悪い」だとか。

たった一つの障害で、俺はそこまで言われなくては行けないのだろうか。
また、口の中に血の味が充満していく。

悔しい。


そのままホームルームは始まった。
上の空で進行を聞きながら、早く終わらないかな、と考えながら過ごす。

今日はどんなことをされるんだろうか。
トイレに行けば水を掛けられ、教科書はゴミ箱に捨てられ、この間はお気に入りのキーホルダーさえボロボロに割られた。



もう生きる意味なんて、見つからなかった。

チャイムが鳴り、放課が始まる。
違う。
ただ一つ。生きる意味があったんだ。
あの頃の俺には。
あなた

おはよ、元気…ではなさそうだけど。笑

君だった。君だけが、俺の味方でいてくれた。
君はずっと俺と一緒に居てくれて、1度も裏切ったことは無かった。
俺も君のことを信用していた。
君がいれば俺は何でも良かった。
莉犬
朝から大変だよ、ほんとw
困ったなぁ……困った…なぁ笑笑
涙が零れる。
もう限界を感じていた。誰か助けて、そんな声をずっと溜め込んでいた。
今吐き出してもいいのかな、ねぇ、あなた。
俺を助けて。お願い、俺を___
莉犬
助け…て 笑
笑い泣きで 発したその言葉を聞いて君は、少し驚いた顔をして,
涙をいっぱいに溜めて、
俺を抱きしめてくれた。

周りの目なんて気にせず。
俺の肩をしっかり抱いてくれた。
俺の目を見て、「待ってた」,とだけ言って。
チャイムが鳴る音なんて気にしないように。
先生からかけられる声聞こえないように。
ただずっと、ずっと、抱きしめてくれていた。
あなた

待ってたよ、莉犬くん


「 私は 何時でも、君の味方だよ 。 莉犬 。」
嗚呼 ,俺はあの時幸せだった。
あの幸せが ,ずっと続くんだと,錯覚してたんだ。
君は僕を守ってくれたんだ。
最期まで。
君の命の花弁が全て散り行くまで。
最期まで君は,僕を守ってくれたんだ__。

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