第9話

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2020/12/10 14:18
看守さんに付いて行きながら 俺は考える。
ころちゃんの隣にいた女の子。何処かで見たことがあった気がする。
何か、俺と関係が…、?…駄目だ、思い出せない。
ジェル(看守)
どうしたん莉犬、悩み事か?笑
むむむ、と俺が唸っていたからだろうか、前を歩いていたジェル看守が振り向く。
その顔は悩みなんて何も無い陽気な雰囲気を纏う俺には眩しいものだった。
少しだけ目を逸らし、答える。
莉犬(N418)
いーや,お腹空いたなと思って……笑
ジェル(看守)
そーなん?wほなはよ行こか笑
適当に口から出た言葉だったが、ジェルくんは納得してくれたらしく、少し歩くスピードを早めた。
俺の後ろでさとみくんところちゃんが戯れてる声が聞こえる。

さとみくんところちゃんはすっかり意気投合しちゃったらしく、いつもあーやって遊んでる。
な別に羨ましくはないけどなんだか楽しそうだな、なんて思っている。

いつもは後ろを振り向かないけど、今日はなんだか 気になってしまってふっと後ろを振り向いてしまった。
すると、俺を見るさとみくんと目が合った。
さとみ(N417)
ん、どーした莉犬?
莉犬(N418)
嗚呼…いっ、いや?何にもぉっ笑
適当ににへへっと笑うと何かが肩にのしかかってきた。
ころん(U057)
どしたんどしたん?話聞くよ?
莉犬(N418)
何もないってば笑
ほら俺お腹すいたから早く行こ!
さとみ(N417)
確か腹減ったな~急げぇぇ!
そんな風にさとみくんは馬鹿みたいに笑って、ジェル看守の前に行こうとする。
するとジェルくんが両手を広げて通せんぼする。
ジェル(看守)
はぁい、俺より前には出えへんといてな~☆
さとみ(N417)
なんでだよ!!ww
そして後ろに追い返されて、さとみくんは俺の隣でプクッとほっぺを膨らませる。
、どうしても前に行きたいの,左右に動いてジェル看守を追い越そうとしているけれど、流石副看守長、動き素早くさとみくん行く手を封じている。

そんなこんなしているうちに、食堂に着いてしまった。
ころん(U057)
今日僕何食べよっかな~……
さとみ(N417)
俺塩ラーメン!
莉犬(N418)
さとみくん前もラーメン食べてたww
さとみ(N417)
あれ、そうだっけww
莉犬(N418)
忘れるな!w
そんなこんなしているうちに、ころちゃんは カレーを持って席に付いている。
俺らもなにか取りに行こう…と思っていた時,ふと座っていたころちゃんに目をやる。

ころちゃんは色々な人に話しかけられていて、それを毎回面白おかしく返している。
ムードメーカーのころちゃんは誰かを笑わすことがとても上手だ。
今もほら、ころちゃんの周りに大きな輪っかが出来ている。

なんだかそんな、当たり前とも言える光景に,俺は少しだけ 物苦しい気持ちになるのだった。
莉犬(N418)
………嫌な思い出 。
昔から,人の蟠りは得意ではない。

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