綺麗な花があったから、ひとらんに見せに行こうと思い、足を急がせる。
いつも通り、裏庭にいるひとらんに見せる。
すると、顔色を変え、俺に質問をしてきた。
何か、あった?
と。
なんもないと伝えると、植えとくから帰ってていいよと言われ、裏庭を出ていく。
少し、気になって、覗いてみると、持ってきた花をすぐには見えないところに植えていた。
俺は気になって、図書館にいる、エミさんに話してみた。
すると、エミさんは読んでいた本をパタンと閉めて、ゆっくりと口を開く。
聞いたことの無い花だった。
知ってるのは、ひとらんとエミさんくらいだろう。
そんな、花言葉なんか。
きっと、ひとらんは勘違いしてしまったに違いない。
ごめんな、ひとらん。
俺、なんともないで。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。