第10話

松野家
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2019/07/18 10:02
六つ子
六つ子
え、ええ、えええ?
松代
松代
動揺している六人は置いといて、先に家入っていいわよ
りか
あ、はい
三つ子
お邪魔します
まあ、正直いって、わたし達も動揺しているんだけどね…。
懐かしいな。
松野家に来るのは、小学校を卒業してから以来だから。
それは他の二人も同じようで。
松代
松代
荷物。二階の奥の部屋にあるからね
三つ子
あ、はい。ありがとうございます
階段を上る。


ここかな?


ふすまを開ける。


広さは、わたしの家のわたし達の部屋と同じくらい。
りか
片付けは後にして、着替えちゃおうか
あなた

うん

わたし達は着替え始める。


こなみは本を読みながら着替えている。


…大したもとだ。
着替え終わったわたし達は下へ降りた。
居間に入る。


六つ子の姿はなかった。
松代
松代
六人なら、部屋にいったわよ。自分の家のようにくつろいでいってちょうだいね
三つ子
は〜い
ふぅ。
トド松
トド松
〜〜〜
十四松
十四松
〜〜〜!〜!
おそ松
おそ松
〜〜〜!
チョロ松
チョロ松
カラ松
カラ松
〜~
一松
一松
…〜〜〜
どうやら、六つ子が降りてきたみたいだ。


部屋の外だとしても、誰が誰の声かがわかる。
スルッ
ふすまが開く。
りか
やっほぉぉー
あなた

ぉー

こなみ
おそ松
おそ松
ええ
カラ松
カラ松
ああ
チョロ松
チョロ松
ゔゔ
一松
一松
やや
十四松
十四松
はは!
トド松
トド松
ぬぬ
変な声を出す六人。
三つ子
いいなあ
六つ子
六つ子
えっ?
そう。


六つ子が着ていた服は、一人一人色違いの真ん中に松のイラストが入ったパーカー。
りか
そういうおそろいの服
チョロ松
チョロ松
えっ?こんなのがいいの?
三つ子
うん
あなた

わたし達、おそろいの物とか、もらったことないから

お金がないから、無駄使いはできない。


服は着られなくなったら、安売りしている服を買う。


運動する姉さんは服の減りが早いが、こなみはいっつも家にいるから、服の減りはあんまない。


だから、服がそろった事はない。


名前だって。


六つ子は「〜松」って統一されているけど、わたし達は文字数も違う。


だから、同じって憧れるんだ。
六つ子
六つ子
ふーん…
トド松
トド松
…三人って、女子力ない?
三つ子
グサッ
今、トド松の言葉が、心に、グサッときましたで…。
あなた

…トド松、そういうの言っちゃう?

たしかに、わたし達は女子力がない。


ハッキリ言って、トド松の方がある。
姉さんの服は、動きやすさ重視。短パンとか、タンクトップとか、スパッツだとか。


わたしの服は、アニメキャラのイメージカラーとか、マークとかが描かれた服(わかる人にはわかるって言うやつ)。


こなみは、なんでもいいって感じ。渡された服を着る。たとえそれが男ものだとしても構わない。


いや、ハッキリ言って、中学校の制服が人生初(だろう)スカートなんですよ。
トド松
トド松
あ、もしかして、気にしてた?だったら、ごめん!
りか
いや、別にいいけどさ

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