クラスの女の子と別れてから、わたしはAAKの部活に向かった。
AAKは学校のアイドルグループと、ソロのアイドルと、それらのファンクラブ本部がある。
文化祭では、ホンモノのスカウトマンが来るんだって!
ここが、部室か〜。
空き教室を使っているみたい。
わたしは可愛いから、もちろん
驚いた。
橋本もアイドル科だなんて。
クラスにどこにでもいそうな顔立ちだ。
先輩から歌詞カードを渡される。
流れてくるメロディ。
あ、この曲、知ってる。
あなたちゃんがたまに歌ってるのを何度か聞いたことがある。
〜ひらりひらりも隙のうちと かけこみ すべりこみ うっとり〜
前奏が流れ出す。
終わった。
なんか、取って付けたような感想。
なんで?
曲が流れ出す。
なんか……すごい……。
普通に歌っているだけなのに……。
わたしが歌ったのと同じなのに……。
惹き込まれる……。
サビに入った。
わたしがワクワクしているのが分かる。
曲が終わった……。
パチパチパチ……。
どこからともなく拍手が上がる。
簡単な感想だったが、率直に思いを述べていた。
……いいライバルね……。
?
足りない……。
わたしの意見はぁー!?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。