第9話

パライバ・トルマリンは海の色
ラナ
ラナ
ああ、石が……!
波間に浮かぶラナとホヌ。

崖の上から落ちてたいへんな状況だというのに、海は変わらず、パライバ・トルマリン色。おまけに袋から飛び出したマジックストーンが水面に浮き、太陽の光を受け、キラキラと輝いている。

宝石の海とはこのことだろう。
ホヌ
ホヌ
ああ、きれいだな……。
ラナ
ラナ
もう!
なに、呑気なこと言っているの!早く、石を集めて!
ホヌ
ホヌ
ラナさん、それは無理かと……。
ラナ
ラナ
ああ……!
波にたゆたう石は、あっという間に散り散りに海のどこかへ行ってしまった。
ラナ
ラナ
どうして、石を優先しなかったのよ!?従者失格よ!
ホヌ
ホヌ
それは困ります。
ラナ
ラナ
世界にいくつかしかない貴重なマジックストーンも入っていたのに……。
ホヌ
ホヌ
そうですね。
ラナ
ラナ
もうっ……!
ホヌ
ホヌ
ラナさん。
ホヌ
ホヌ
たしかに、マジックストーンはとっても貴重です。僕らの商売道具ですし、歴史的価値のあるものは、守るのも僕らの役目です。
ホヌ
ホヌ
でもね、
ホヌ
ホヌ
マジックストーンは世界中、探せばどこかにありますけど、
ホヌ
ホヌ
ラナさん、
ホヌ
ホヌ
僕の主人はあなた1人だけなんですよ。
ラナ
ラナ
!!
ホヌ
ホヌ
主人の安全を守るのも、従者の役目です。
ラナ
ラナ
…………。
ホヌ
ホヌ
ほら、岸まで泳ぎましょう。
ホヌ
ホヌ
このままだと沖に流されてしまいます。
ホヌ
ホヌ
ラナさん、泳ぐの下手だから、僕につかまってください。もっと、ちゃんと、ほら両手回して、僕の腰に抱きついてくださいよ。
ラナ
ラナ
ばか
ホヌ
ホヌ
あ、痛っ!
ラナ
ラナ
でも、ありがと……。
岸に着くと、警備隊と仲間のドラゴン使いを連れたタイガーアイが待っていてくれていた。
タイガーアイ
タイガーアイ
ラナさーん、無事でよかったです〜😭😭😭
ラナ
ラナ
もう、タイガーアイ、泣きすぎ😅
タイガーアイ
タイガーアイ
だって……、俺っち、心配で……😭
デストリアス
デストリアス
くっそ、離せ!
デストリアス
デストリアス
俺は一国の王子だった男だぞ!
デストリアス
デストリアス
警備隊とはいえ、もっと丁重に扱え!
ホヌ
ホヌ
あの男も捕まったみたいで良かったですね。
メラルド
メラルド
キュル!
ホヌ
ホヌ
あ、メラルドいままで一体どこに行ってたんだ?
メラルド
メラルド
キュル!
ラナ
ラナ
あっ!
これって、もしかして……。
メラルド
メラルド
キュルキュル!
ラナ
ラナ
ありがとう、メラルド!わたしのムーンストーン、取っておいてくれたんだ……。
メラルド
メラルド
キュル!
ホヌ
ホヌ
メラルド、あとでたくさんご褒美あげなきゃですね。
ラナ
ラナ
うん!
タイガーアイ
タイガーアイ
良かったな〜😭
タイガーアイ
タイガーアイ
な〜んだ、やっぱりラナさんたち恋人同士だったんじゃないですか!
タイガーアイ
タイガーアイ
まったく、もう!隠すことないのに〜。
ラナ
ラナ
だから、違うって!
タイガーアイ
タイガーアイ
でもホヌくん、マジックストーンよりラナさんを優先していたじゃないですか。
ラナ
ラナ
そ、それは……。
ラナ
ラナ
だからって、恋人とは限らないでしょ!
タイガーアイ
タイガーアイ
え〜!そうなんっすか〜?
ホヌ
ホヌ
まぁ、時間をかけてかな。
タイガーアイ
タイガーアイ
おおっ!!
ラナ
ラナ
…………。
ドラゴンに乗って、一行はオアシスへと飛んでいく。
宝石色の海に、紅い夕日が沈んでいった。