私は、
手にある何かの感触と生臭い…
腐ったような臭いで目を覚ました。
辺りを見回して、
自分は馬に乗っているのだと気付いた。
状況があまり掴めずにいると、
何処かで、聞いた声が聞こえた。
そこで一旦言葉を切ると、
少し考えるようにしてから私に言った。
訳がわからない。
どうして、ペンダントの事を?
私と…あの人しか知らないはず…。
それだけ言い、森の中へと消えていった。
何だったんだ?あの人は…。
私は男の人に言われた通り、
馬を走らせた。
馬に乗るのは…久しぶりなはずなのに。
不思議と揺れること無く、操れる。
森を抜けた、少し行った所に
あの人が言っていた「壁」があった。
人間よりも、何倍も大きく
何処が終わりなのか分からないくらいに続いている。
ここは日本なはず。
戦争がある、外国じゃあるまいし…
どんどん謎が深まっていくだけで、
何も分からないままだった。
それに、こんな大きな壁を作っても意味がない。
人間は2㍍もあればいいはずなのに…。
というか、何故馬に乗っているんだ?
ここは日本…じゃない…、?
そう思い、馬から降りようとしたのだけれど
馬に乗って誰かが私の方に、近づいて来る音がした。
振り向いたそこには、
見慣れない服装の人だった。
次回に続くё
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。