―あなたside―
私はリヴァイさんの言葉で、涙なんて吹き飛んだ。
というか…間抜けな声で返してしまったのが恥ずかしかった。
頭の中にリヴァイさんの言葉を繰り返す。
それが『 告白 』に似ている物だと分かったのは、数分後だった。
冷えていた顔は、徐々に暖かさを取り戻していく。
尋常じゃないぐらいに頬が熱く、赤くなっているのが自分でも分かる。
初めて時間帯が夜で本当に良かったと思った。
こんな泣きじゃくった後の、恥ずかしい顔なんて誰にも見せたくないから…
リヴァイさんは、目の前に歩み寄ってきたかと思ったら
骨ばった大きな手に口元を全て覆われた。
…何だか、前にも同じような事があったような…。
何かを察した瞬間、勢い良く後退りした。
考えてみれば彼処にいたのは、1人だけじゃないか…。
恥ずかしさ等の色々な感情が込み上げてくる。
私はその感情に負けて…思わずしゃがみこんだ。
そんな私と裏腹に、落ち着いた目付きで
見下ろしてくるリヴァイさんが理解出来なかった。
気付くとリヴァイさんは、私と同じ目線までしゃがんでいた。
思ったよりも近くに居て小さく悲鳴を上げてしまった私。
そんな様子を見たからか、リヴァイさんは笑みを溢した。
照れ臭くて、恥ずかしくて…それを隠すように私も軽く笑った。
静かに名前を口に出すと、リヴァイさんの目に私が映った。
もう…言ってしまった方が楽なんだろうか。
自分の勇気の無さに呆れながら、じっと見つめ返した。
伝えられるか 言い表せるかは…分からないけれど。
スッキリして終わった方が、ずっと良い。
抱え込んで困らせるより…何倍も。
「 貴方が、リヴァイさんが…
周りに居る誰よりも 」
〝 「 叶わない恋でも良いんです。
他の人を選んでも、
私は後悔しません…。」 〟
______貴方に、幸せになって欲しいから。
次回に続くё
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。