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第2話

悪夢の再来

――――――――「はははっ!またやってるよあいつ」
「ヒロインごっこが大好きな神園深月(カミゾノ ミヅキ)なー。」

「なんでそんなこと言うの?」
「お、こっち来たぜ。」
「好きなことしちゃいけないの?」
「だってお前ー下手じゃん」
「あはは!」
「言えてるークスクス」
「あははははは!」――――――――――――――――





「やめて!!!」
はぁはぁはぁ…夢…?
起きるとそこは保健室だった。私なんで…。すると、朝の光景が頭に流れ込んできた。
「はっ…はっ…はぁはぁはぁはぁっはぁっ」
私は過呼吸になっていた。
「神園さん大丈夫!?ゆっくり息吸ってーはいてー吸ってーはいてー。」
「はーはっ、ありがとうございます。」
「大丈夫?入ってきたときも泣いてたけど。」
「…大丈夫です。」
全然大丈夫なんかじゃなかった。本当は帰りたかった。時計に目を向けると、1限目が終わる時刻だった。私は皆勤賞を狙っているから、休むことは自分の中のプライドが許せなかった。
「もう戻りますね。ありがとうございました。」
「え、うん。お大事にね。」
気持ちの整理がつかないまま、私は教室へ向かった。
 休み時間の学校。廊下で話す人、教室で話す人。笑い声や会話が溢れていて、耳が痛くなる。人のすべてが聞こえてくるようなこの空間。私は苦手だ。

閉まっているドアを、なるべく静かに開けた。そしてプリントが無造作に置かれた自分の席に座った。ふいにバックが目についた。
(開いてる?)
バックの中の教科書は何もされていなかった。でも、
「なにこれ…。」
私が小学生からつけていた“ヒロインノート”(好きになったドラマやセリフを書いたもの)だけが、油性のペンで黒く塗りつぶされていた。どのページももう読めない。
クスクスという笑い声が聞こえる。「え、え、」という声も聞こえる。
「おかえり深月…ちょっ、なにこれ!?」
私が戻ってきたのに気づいた珠希が、ノートをみて驚く。
「…ふ、ははははっ!」
「み、深月?」
私は笑うことしか出来なかった。だってこんなのまるで悲劇のヒロインじゃないか…。周囲を見ると、笑い声の集まるところには谷原葉介(タニハラ ヨウスケ)が居る。私はそこへ向かって歩きだした。
「ははっ、あの時と同じことしてるんだねー君。」
「あ?」
「成長してないんだねー。」
「ちょっと!」
珠希が私を止めにはいる。しかし、私の口から出る言葉は止まることを許さなかった。
「人の嫌がることはやめましょうって言われなかった?」
「あ?ふざけんなよ。」
「ふざけてんのは、君でしょ。私は私なの。私の人生は私が決めるの。嫌いなら関わってこないで。」
バンッと、机にあったおそらくこれで書いたのであろうマジックを置いた。
私はその時、クラスにカッコいいというイメージと同時に怖いイメージを植えつけてしまった。このときに“神園深月”という人物がたくさん作られていったのだ。

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りる
りる
小説は恋愛ものが多いです😃 更新回数少ないですが、よろしくお願いします❗長文多いと思いますが、時間のあるときにでも、読んで貰えると幸いです! NEWS好きです❗キンプリ好きです❗️ PRINCE OF LEGENDハマってます✨ THE RAMPAGE好きです! 11.18 おすすめ作品に掲載!   『キミに片思い、届くかな気持ち』
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