そして昼休み。
私は華澄ちゃんに言われたとうり、第一図書室に向かった。
華澄ちゃんはもう来ていて、華澄ちゃん以外にグループの子達も集まっている。
ヤバイ。
そう思ったときにはもう遅かった。
やってしまったことはもうやり直せない。
話したという事実を無くそうとしても、どう足掻いても無くせない。
分かったって言わなきゃ。
話さないって言わなきゃ。
関わらないって言わなきゃ。
1人は嫌だ。なら今私が言うべきことは決まってる。
.......でも。言いたくない自分がいる。
もっと彼女のことを知りたい。
薄々気づいてた。悪口を言って盛り上がるこの人達とは合わないっていうこと。
ここで本心を言わなきゃ、ずっと嫌な気持ちのまま過ごすことになるかもしれない。
関わりたい人と、仲良くなりたい人と話せずに彼女達に縛られて過ごすことになるかもしれない。
やっと言えた。私のずっと思ってたこと。
感じてたこと。華澄ちゃん達に言いたかったこと。
華澄ちゃん以外のグループの子達は、驚いたり、私を睨み付けたり、華澄ちゃんの方を見ていたり。
皆それぞれ違う反応を示した。
華澄ちゃんは.......?
少し怖かったけど、華澄ちゃんの反応を見ようと彼女の方を見る。
すると、彼女は怒っているような、驚いているような、そして少し悲しんでいるような。
そんな、複雑な表情をしていた。
そして少しの沈黙わ破り、華澄ちゃんが口を開いた。
華澄ちゃんの声を聞いて、皆がハッとしたように動き出す。
これで、良かったんだ。
自分の好きな道を選ぶことができた。後悔はしてない。でも何故か涙が頬をつたっていく。
ありがとう、華澄ちゃん。
貴方のおかげで、嫌なこともあったけど、今まで楽しかったよ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。