あれから1週間ほどたった頃。
私は毎日音葉ちゃんに話しかけていた。
毎日挨拶をして話していくうちに、更に音葉ちゃんのことが分かっていく。
歌い手さんとボーカロイド大好きなこと。
それはお姉ちゃんの影響だということ。
そのお姉ちゃんと一緒に行った初めてのライブがすごく楽しかったこと。
毎日1つずつ、新しいことが分かっていく。それが楽しくて、嬉しくて、堪らなかった。
華澄ちゃん達とも話して、良いバランスを保てていると思っていた。
...............少なくとも私は。
第一図書室は新しい第二図書室が造られてから使われることが少なくなった、古い方の図書室だ。
皆第二図書室に行くのであまり人もおらず、秘密の話をする時によく使うと前に華澄ちゃんが話していた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!