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第1話

私の王子様。
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2020/09/02 08:21
────『王子様』って本当にいるのかな?
過去に私はこんな質問を誰かにされた事がある。
でも今なら答えられる。
────『王子様』は本当にいるよ。
って。

──────────────────────
────ピピピピピ ピピピピピ

アラームの音が鳴り響く中、私はアラームを止めて時間を見ると…

>午前10時

────ピコン

スマホの通知音が鳴り、ロック画面には下野さんのツイートが。
慌てて飛び起き、ツイートの内容を見ると…


────『下野紘、Twitter始めました!』


という文字が、、、。
すぐにフォロー。フォロワーの数を見てみると、すぐに10万人越え!
唯一
凄い…
下野さんに返信しているコメントなどを見てみると…沢山の人からのコメントがあった。そこに私も返信をする。
────『下野さん、Twitter開設おめでとうございます🎉🎉』
唯一
返信…と。
ベッドに向かって手を広げ、勢いよく寝転んだ。



私の王子様は人気声優の下野紘さん。

私は下野さんに恋をしている。

私はファンで、下野さんは声優。

私は下野さんのライブやイベントもまだ行ったことが無い。


こんな私がこんな恋、叶うはずも無い。

と思いながらもやっぱり期待してしまう。

そんな自分が嫌でまた目を閉じる。



目を覚ますと…


<午後12時10分



唯一
私、寝っちゃってたんだ。
ベッドから身体を起こそうとすると
何やら外が騒がしい。

────「下野さん今度は腕を組んでみてください」

────「こんな感じですか?」

────「いい感じです!」
え、今、『下野さん』って聞こえたような…
立ち上がりその声に誘われるように窓を開けて、外を覗いてみると、、、。
唯一
え、下野さんだ。え!?下野さん!?
私の声に気づいたのか、下野さんと目が合ってしまった。
すると、下野さんは私に向かってニコッっと笑い軽く手を振ってくれた。
え?!待って?下野さんが…手を振ってくれた?!
私はビックリして下野さんから隠れてしまった、、、。
唯一
((そんなわけない。きっとまだ夢の中。
でも、やっぱり夢か現実かを見極めたくてもう一度窓の外を見てみる。
やっぱり下野さんがいる。
唯一
夢じゃ…なかった…。
<数時間後
撮影が終わったのかスタッフさんらしき人達と一緒に去っていってしまった。
唯一
行っちゃた、、、。
結局、『夢じゃない』と分かってからずっと窓越しから眺めてるだけだった。

もう二度と会うことも無いかもしれない。
すると、下野さんが立っていた所に何か落ちているのが見えた。
慌てて家の階段を降り、玄関を出ると財布らしきものが落ちていた。
唯一
これ、もしかして下野さんの…財布かな…?
奇跡的にそこには人が居らず盗まれなくて良かったと少しホッとした。


急いで下野さんを探した。
唯一
ハァ、ハァ、どこに行ったんだろう…
数分ぐらい経ったところで、帽子とマスクをして古いガラケーを手に電話している人がいた。
???
もしもし、すみません。財布見つかりましたか?
そうですか…分かりました。ありがとうございます。
唯一
((この格好にこの特徴の声。
もしかして…
ファンなら誰もが気付くに違いない。思い切って声を掛けてみた。
唯一
あ、あの…もしかして…声優の下野紘さんですか?((コソ
すると、私の声に気づいたのか照れながらも

『そうです』と返事をしてくれた。
唯一
もしかして、この財布下野さんのですか…?
私は拾った財布を見せると
下野紘
あああ!俺の財布!見つけてくれてありがとね。
唯一
((顔が近い…///
私との距離が近くなり、生暖かい息がかかる。
マスクを外してお礼を言う下野さんはとてつもなく可愛く、とても30代には見えなかった。
下野紘
あれ、キミ…もしかして…
私の顔を見て何かに気づいたのか、下野さんは私の顔を「じー」っと見つめてくる。
下野紘
唯一?
え?
なんで私の名前知ってるんですか?!
唯一
私の名前…なんで、、、。
唐突に名前を言い当てられた私は開いた口が塞がらなくなってしまった。
下野紘
あれ、俺の事覚えてないの?

『紘くん』

覚えてない?
え、、、。
もしかして、あの…『紘くん』?

え、てことは…下野さんが『紘くん』って事?
──────────────────────
[プロローグ]


唯一(幼少期)
私、大きくなったら紘くんと結婚する!
紘くん
おお!そっかー!
じゃあ俺も唯一と結婚するよ。
唯一(幼少期)
うん。約束だよ?
紘くん
うん、約束。
私と紘くんは指切りをして約束をした。


私達は年の離れた幼馴染みだった。

この時、紘くんは20歳。
私は6歳だった。

その後、紘くんは家の事情で引っ越してしまった。




────あれから10年の月日が経った。


私は16歳になった。
──────────────────────
唯一
本当に『紘くん』なの…?
下野紘
ほんとだよ(笑)ほら、おいで。
紘くんは手を広げて『おいで』と言った。
私はその言葉に誘われるように。思いっきり紘くんに抱きついた。
唯一
っ…!
紘くん抱きついた瞬間、私は涙が止まらなくなってしまった。
下野紘
何泣いてんの〜(笑)もうしょうが無いなー!
紘くんは私の涙を手で拭った。
下野紘
ねぇ。あの約束覚えてる?
唯一
っ…覚えてる…
もちろん、覚えてる。

なぜ紘くんが声優になったのかはまだ分からないけど、声優としての『下野さん』も幼馴染みとしての『紘くん』も大好きだから。
下野紘
俺と結婚を前提に付き合ってください。
私はまた紘くんに抱きついた。答えなんかもうとっくの昔に決まってた。
唯一
はい…!
────今日から恋します。


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作者のゆめです✨

今回の小説は下野さんをテーマにした何かが書きたくて、この小説を書きました✨
私の妄想もちょこっと入ってます(笑)今回も小説を読んで下さりありがとうございます🙇
次回もお楽しみに!

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