岡田はその頃、まだ、アミさんが眠る場所にいた。
手を合わせ、目を瞑り、なにかを心の中で呟いているのだろうか・・・・
か、関西弁だらけ?
すると、不思議なことに指輪が光った。
岡田は指輪にキスをした。
やることが、キザだ。
だけど、ふたりの間に交わされた約束は切ない・・・
でも、大きかった。
いつか結婚して生まれた子供が女の子なら・・・・
゛アミ゛と名付けたい。
岡田は、本気でそう思った。
こうして、岡田はみんなのもとへ戻っていった。
一方、剛とルキアさんも仲良く戻ってきた
非常に嬉しそうな井ノ原くん。
あのカイトさんがそんないい人とは・・・
笑い合っているメンバーをよそにぼくは歩き続けていた。
イナンと過ごしたこの場所を、もう一度歩きたくなったんだ。
これも、旅の一部というのかな?
そう、あのときは僕たちが狙われていると同時に、イナンも狙われていたから。
あのときは、ほんっとビックリするくらいドキドキすることが多くて・・・
一番ビックリしたのは、やっぱりイナンを好きになってしまったことだ。
突然電話がなり始めた!
ぼくはビックリして携帯を落としそうだった!
しかも、しらない番号から?えっ?番号がなくてかかってる?
えっ?誰?誰なの?
また、パニクりそうだった
思わず出てしまった。
なんでもないことなんだけど、最後までイナンと一緒にいたいから。
だから、最後にイナンと一緒にやりたいことは・・・・
あの、温水プールで、一緒に泳ぐことだった
これが僕の最後の決断。
イナンと別れる決意をする最後の・・・・
珍しく乗ってくれたのは剛。
みんなが、ワイワイと歌って踊っている最中、僕とイナンはプールで、泳いでいた。
時間を忘れた旅にふたりで出掛けたような感覚だった。
楽しい時間は、あっという間だった。
もう、夕日が沈もうとしていた。
僕とイナンは同時にその夕日をみていた。
じっとイナンを見た。
イナンが突然キスをした。
それは、今までとは違うキスだった。
これが、本当のさよならのキス。
そして、お互い自分の道を歩き始める始まりのキス・・・・・
そして、戻ると・・
そして、本当の別れ
僕たちは、Believe Your Smaile を、歌った。
コンサートの定番曲のひとつだ。
僕たちは、それからも歌い続けた
彼女たちが見えなくなるまで・・・・
そして、僕たちは、コンサートに挑んだ。
井ノ原くんのあの報告に思わず涙を流してしまった僕がいた。
人間っていいな
仲間っていいな。
そう思える瞬間だった。
イナン、聞こえてる?
まだまだ、未熟な僕らだけど見守っていてね
僕らは忘れないから。
イナンたちと過ごした日々・・・
忘れないから・・・
おわり
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!